
ベインは『獲得可能になったら積極的に動くべき選手』
マジックの球団社長を務めるジェフ・ウェルトマンが、デズモンド・ベイン獲得のトレードについて説明する会見を開いた。
ウェルトマンは2017年春から現職に就いているが、マジックが良い結果を出しているとは言い難い。それでもスティーブ・クリフォードからジャマール・モズリーへの指揮官交代、ジョン・ハモンドからアンソニー・パーカーへのGM交代を行いつつ、時間をかけて強豪となるベースを築いてきた。そして今、パオロ・バンケロとフランツ・バグナーのコアが出来上がったタイミングで、手持ちのドラフト指名権を一挙放出してグリズリーズからデズモンド・ベインを獲得した。
「決断は簡単だった」とウェルトマンは言う。「我々は『獲得可能になったら積極的に動くべき選手』を何人か設定していた。シーズン終了時点でベインが獲得できるとは思っていなかったが、その可能性があると分かった時点で彼の獲得を最優先事項とした」
交渉の詳細については明かさなかったが、ウェルトマンはベインをどう評価しているかを詳細に語った。「NBAで最高のシューターの一人であり、才能のあるプレーメーカーでもある。バスケIQが高く、ボールを持っていない時でもアドバンテージを作り出す。ディフェンスでも強靭なフィジカルを生かしてタフに戦うことができる。あらゆる意味でチームにプラスの影響を与える稀有な選手であり、我々が求めるすべての要件を満たす選手なんだ」
ベインの獲得は好意的に受け止められているが、1巡目指名権4つと1巡目交換権の放出は、グリズリーズに対して大盤振る舞いをしすぎたとも思われている。しかしウェルトマンは「ドラフト指名権の価値は分からないものだ。今年の指名権には16位の価値があるが、他の3つの価値は分からない」と、批判的な意見に反論する。
彼はマジックにとっての『勝負の時』は今であり、再建フェイズを脱した以上は指名権よりも即戦力の選手を優先すべきだと信じている。そして彼にとって、ベインこそチームの弱点を解消する最高の補強なのだ。
先日、ヘッドコーチのモズリーとベインによるオンラインでのミーティングが行われ、そこに同席したというウェルトマンは「ベインはこのチームでプレーし、このチームを次のレベルに引き上げることを本当に楽しみにしている」と明かす。
マジックの球団社長として働いて8年。ウェルトマン自身、マジックが本当の意味で競争力を持ったチームになったことに興奮している。「我々の目標は東カンファレンス優勝ではなくリーグ優勝だ。優勝候補と見なされるような戦力を整えることがその第一歩であり、そのトレードがそれを実現する。今の我々は優勝を狙える、持続可能なチームになれると思う」
「我々の選手たちは若く、まだまだ成長できる。3年、4年後のチームがどうなっているかと想像すると本当に興奮するよ」。ウェルトマンは満面の笑みでそう語った。