ジャレット・アレン

第1クォーターを43-17、最大60点リードを奪う大勝

西カンファレンスに続いて東カンファレンスでも、首位チームがファーストラウンドをスウィープ(4勝0敗)で突破した。キャバリアーズはホームでの最初の2試合に勝った後、マイアミに移っての第3戦を124-87で完勝。現地4月28日の第4戦、試合開始から38-10のランを見せ、第1クォーターを43-17で終えた時点でヒートの士気を打ち砕いていた

第3戦に続いて司令塔のダリアス・ガーランドが欠場したが、その影響は全く感じさせなかった。ドノバン・ミッチェルが13得点、ベンチから出たデアンドレ・ハンターがシュートをすべて決めて11得点、ジャレット・アレンは同じセンターのバム・アデバヨに何もさせず、10得点6リバウンド4アシストを記録。これらのスタッツはすべて第1クォーターだけで記録したものだ。

ヒートで多少なりともポジティブな印象を残したのは、激しいディフェンスを持ち味とするデイビオン・ミッチェルで、第1クォーターの最後にブザースリーを決めてマイアミのファンを沸かせたのだが、その彼も次第にキャブズの勢いに飲み込まれていった。キャブズの主力がプレーしたのは第3クォーター途中までで、その後は長いガベージタイムとなったが、そこでもキャブズの優勢は続く。最大リードは60点、最終スコア138-83でキャブズが完勝を収めた。

それでも、キャブズを率いるケニー・アトキンソンの会見の第一声は「あらためてヒートに対する敬意を語りたい」だった。「ヒートはこの対戦を前に厳しい試練を経ており、休養十分だった我々には大きなアドバンテージがあった。私は勝敗とは別の部分で品格を大切にしている。ヒートは劣勢でも汚いプレーをしようとしなかった。クリーンに、全力で戦うチームに最大限の尊敬を抱いている」

その上でキャブズの選手たちも、余裕のある状況でもリラックスしすぎることなく、完璧な準備で試合に臨み、あっという間に勝利をモノにした。油断をしなかった理由を問われたドノバン・ミッチェルは、隣のアレンを指さして「この男のおかげだ」と笑顔を見せた。「ファーストプレーで決めたスティールとダンク、あれが試合の流れを作った。あそこで『勝てる』と感じたよ」

スウィープでの勝利を予想できたかと問われたアレンは「プレーオフでは何が起きるか分からない。ヒートが1試合、2試合勝ってもおかしくないと思っていた」と答え、こう続けた。「でも僕らは自分たちのスタイルを、必要な強度でプレーすることに集中していた。それが毎試合できていれば、どのチームが相手でもスウィープできる」

ミッチェルもアレンも自分たちのバスケに手応えを感じ、良いプレーができたことを大いに喜んでいた。アレンは言う。「次はまた0勝0敗からのスタートだ。勝てるとは言わないけど、最高レベルでプレーできる能力があることは分かっているよ」

そして指揮官アトキンソンも、気を緩めずにカンファレンスセミファイナルを見据えている。「スウィープしたことで1日か2日は余裕ができ、自分のベッドで休み、練習時間を確保し、ケガを治す時間を持てる。それが次の優位になる」