若手へのアドバイス「プレーオフを体感してこい」
現地4月13日のレギュラーシーズン最終戦、スパーズのクリス・ポールはホームでのラプターズ戦に先発出場し、34分のプレーで15得点7リバウンド6アシスト4スティールを記録。125-118での勝利に貢献した。
34勝48敗、西カンファレンス13位でプレーオフ進出を果たせなかったのは、クリス・ポールにとって不本意な結果だった。キャリア20年目でスパーズと契約し、名将グレッグ・ポポビッチの下で新たな学びを得るはずだったが、それも彼がシーズン早々に病気療養に入ったことで期待通りとはならなかった。
それでも彼は若いチームに自分の経験を伝える役割を十分に果たした。そして20年目にしてレギュラーシーズンの82試合すべてに出場する偉業を成し遂げた。これまでの記録はジャズのジョン・ストックトンによるキャリア19年目での82試合出場だった。
81試合目のサンズ戦で、ベテランながら全試合出場を続けるポールとハリソン・バーンズは後半はプレーしなかった。暫定ヘッドコーチのミッチ・ジョンソンは、「彼らは81試合もプレーしている。疲れもあるだろう」と説明した。しかし、2人とも最終戦でいつもと変わらずプレーすることを望み、ポールもバーンズも34分間プレーした。
その理由をポールはこう語る。「第4クォーターにベンチで『まだ出るつもり?』と言われたんだ。もちろん出る、と答えた。ただバスケがやりたいだけなんだ」
「順位についてはもちろん理解しているけど、子供の頃にNBA選手を夢見た時、コートでプレーする姿を思い浮かべた。ケガでプレーできないこともあるし、これが最後の試合になる可能性もある。オフになれば家に帰って息子とワークアウトをして試合もするだろうけど、それとは全く異なる舞台に僕は立っているわけだから、それを当たり前だとは思わないようにしている」
「キャリアの大部分でプレーオフに出ていたから、ここで終わるのは少し腹立たしいけど、ここでの経験には満足している」とポールは言う。彼とスパーズとの契約は1年限りで、オフにはフリーエージェントになる。
「先のことはまだ何も分からない。今日は家族が試合観戦に来ているんだ。一緒に家に帰ることしか考えていない。その時が来たら今シーズンを振り返り、先のことを考えるよ」
スパーズはディアロン・フォックスを獲得し、ルーキーのステフォン・キャッスルのブレイクもあった。夏が過ぎれば、ポールは彼を必要とする新たなチームに行くのかもしれない。それでもこの日、キャッスルを始めとする若い選手たちにはアドバイスを送ったそうだ。
「若手の何人かに『プレーオフを何試合か見に行って、その激しさを実際に体感するように』と伝えたよ。僕もキャリアの最初の2年はプレーオフを見に行った。ドウェイン・ウェイドがいたヒートの、マーベリックとスパーズとの試合だったな。そして2年目の時に『これ以上は見たくない。僕はここでプレーしたい』と心から思った。それがみんなへのアドバイスだ」