トリビュート映像とファンの大歓声にドンチッチは涙
ルカ・ドンチッチが移籍後初めてダラスに戻って来た。ロサンゼルスでのマーベリックスとの対戦は済ませていたが、ダラスのファンの前でレイカーズのユニフォームを着てプレーするのは初めてのこと。その試合でドンチッチは、ファンが期待する『ルカ・マジック』を存分に披露した。
レイカーズの77番のユニフォームを着ているファンも多かったが、それ以上にマーベリックスの77番を着用したファンが目立った。この日に限っては、ダラスのファンはドンチッチのためにアリーナに足を運んでいた。突然のトレードで別れを告げるタイミングがなかったが、彼らはようやく6年半の感謝を伝え、ドンチッチはそれに応えた。
試合開始からエンジン全開のドンチッチは、フィールドゴール28本中16本を成功させ、シーズンハイの45得点に加えて8リバウンド6アシストを記録。ドンチッチがシュートを決めるたびにファンは歓声を上げ、その妙技を楽しんだ。マブスもよく粘ったが、レイカーズが終始主導権を握る展開となり、第4クォーター残り2分にドンチッチがステップバックの3ポイントシュートを決めて108-94としたところで勝敗は決した。
試合開始のタイミングでトリビュートビデオが流された時点で泣いていたドンチッチは、スタンディングオベーションを受けてベンチに下がると、再び涙を流した。ファンは歓声を止めて、「ニコを解雇しろ」のチャントを始める。これも彼らがドンチッチ放出というニコ・ハリソンGMの判断を決して支持しないという意思の表明であり、ドンチッチはタオルで顔を覆ったままそれを聞いた。
それでも試合が終わると笑顔でマブスの仲間たちとハグを交わし、その中にはトレードの相手となったアンソニー・デイビス、ドラフト直後のトレードからNBAでの彼を支え続けたマーク・キューバンの姿もあった。
「ファンの歓迎とトリビュートビデオは本当にうれしかった。僕はこの街もここのファンも大好きだからね。いろんな感情があったし、涙が出たよ」とドンチッチは語る。
レイカーズはこの勝利で通算成績を49勝31敗とし、西カンファレンス3位をキープ。驚天動地のトレードの衝撃は今もなお残っているが、レイカーズでのプレーに馴染みつつあるドンチッチは、プレーオフに向けた準備を着々と進めている。