
我慢の展開を制した群馬、ホームで越谷に連勝
群馬クレインサンダーズはホームに越谷アルファーズを迎えた。第1戦は試合の序盤からリードを築き、92-67で勝利。続く第2戦は越谷のフィジカルなディフェンスに手を焼きながらも62-57で接戦を制した。
第2戦ではマイケル・パーカーの活躍が目立った。28分3秒出場、19得点はいずれもシーズンハイの数字。「得点の上下が激しかったですが、しっかりと勝って終えられたのは良かった」とパーカーはタフなゲームを振り返る。
試合の序盤からパーカーはフルスロットルだった。藤井祐眞が外したシュートをティップインで押し込み先制点を挙げると、トレイ・ジョーンズのドライブに合わせてゴール下で得点を重ねた。ケーレブ・ターズースキーが第1クォーターでファウルトラブルになったことでプレータイムが伸びたが、特に長年コンビを組むジョーンズとのプレーは阿吽の呼吸で、苦しい時間帯に何度もチームを救った。
「トレイとの関係性をゲームの中で見せるのが難しいシチュエーションもありますが、今日はたくさん出せる場面がありました」とパーカーは語る。
7点ビハインドで迎えた後半も、パーカーの活躍は止まらない。最初のポゼッションでゴール下のシュートを決めて流れを呼び込み、ジョーンズからのキックアウトを受けて逆転のコーナースリーを沈めた。彼にしては珍しく、打った瞬間に両手を上げるパフォーマンスも飛び出した。「打った瞬間に『入った!』と分かることがあって、あの時は手を挙げました(笑)。入って良かったです」とパーカーは笑みとともに振り返った。
ビッグマン3人を併用する越谷に対して、パーカーの奮闘は必要不可欠だった。シュートを決めるたびに力強く拳を挙げて会場を盛り上げた。最終クォーターもフル出場で戦う姿勢を貫き、我慢の展開を強いられる試合で勝利を呼び込んだ。

ジェフ・ギブスとの対戦「不思議な感覚でした」
越谷に主導権を握られることも多く、試合運びは決して満点と言えるものではなかった。それでも粘り強く戦い続け、最終的に勝利に結び付けられる地力が今の群馬にはある。「ファウルが多くてフラストレーションが溜まっても、悪い流れになってしまうのではなく、我慢して自分たちのプレーにフォーカスできています」とパーカーは言う。
それは誰かのパフォーマンスが悪くても、しっかり補い合えるチーム力の成果だ。この試合、群馬のフィールドゴール成功率は38.2%と低調だったが、パーカーがそこを補うようにセカンドチャンスやゴール下の合わせを連発。パーカーは「チームメートのシュートタッチが良くなかったので、今日は自分の番でした」と振り返る。
水曜ゲームが3週続く過密日程ではあったが、そこで43歳のベテランがいまだ衰えぬ実力を見せた。今シーズンのスタッツは軒並み落ちているが、それは年齢による衰えよりもチーム内での役割を受け入れ、遂行しているからで、必要とされれば高い得点力を発揮できることをこの試合で証明した。
ちなみに、彼にとって今回の越谷戦は、かつてトヨタ自動車アルバルク東京で一緒にプレーし、その後も対戦相手として長くしのぎを削ってきたジェフ・ギブスがいる。
「昔からの知り合いで、お互いに家族の成長も見守ってきた関係です」とパーカーは話す。「引退しますが、まだまだプレーできる選手です。マッチアップしていても不思議な感覚でした。残りのシーズンも最後まで頑張ってほしいです」