「チームに何が必要かを見極め、最善の形で貢献する」
ピストンズとのプレーオフセミファイナル第3戦、キャバリアーズは前半に64-48とリードを奪いながらも、第3クォーターに猛烈な反撃を浴びて、一時は逆転を許した。それでも接戦となった第4クォーターを33-28で上回り、1勝2敗と一矢報いた。
一度はピストンズに傾いた流れを引き戻したのはエースのドノバン・ミッチェルで、1点リードで迎えた第4クォーター残り2分半から試合が動く。ケイド・カニングハムがインバウンズで入れたパスを、目の前にいたマックス・ストゥルースが奪い取ったのを機に、盤石の安定感を誇るカニングハムがリズムを狂わせてターンオーバーを連発することになった。
そしてキャブズは、ジェームズ・ハーデンがステップバックジャンパー、アイソレーションからのフローター、トバイアス・ハリスのシュートチェックに動じることなく打ちきった3ポイントシュートと、3本連続でクラッチショットを決める。その直後には、この試合でシュートタッチ絶好調だったダンカン・ロビンソンの3ポイントシュートをしっかり寄せて決めさせないディフェンスまで披露。こうしてハーデンが勝負どころで違いを生み出したことで、キャブズが116-109で勝利した。
敵地で敗れた第1戦と第2戦、いずれもハーデンは冴えなかった。彼自身は「正しく状況を読んでパスを出した」と説明しても、プレーオフの勝負どころで攻め気を出せず、勝敗を担う責任から逃げたと受け止められるのは無理もない。これまでのキャリアを通じて常にトッププレーヤーであり続けても、プレーオフで沈黙してしまうのは大きな弱点だった。
CLUTCH BUCKET BY JAMES HARDEN 💯
CAVS WIN GAME 3 AT HOME.
DET (2-1) CLE I Game 4: Monday, 8pm/et, NBC/Peacock pic.twitter.com/5pGwd3ZUOy
— NBA (@NBA) May 9, 2026
この試合での活躍は批判を吹き飛ばすに十分だったが、試合後の彼は自身の汚名返上のためではなく、チームの勝利のためだと強調した。「正直に言って、周囲に何と言われようが気にしないよ。大事なのはロッカールームでどう見られているか、自分たちが何をしているかだ。今の僕は平均30得点の選手じゃない。チームに何が必要かを見極め、最善の形で貢献するのが役割なんだ」
「外部からいろいろ言われるのはいつものこと。30得点すれば称賛されるし、プレーが悪ければ叩かれる。でも僕はキャリアを通じて、特に年齢を重ねてきた最近は、チームが勝つために何が必要か、そこで自分に何ができるかを見極めようとしている。それが最も重要なことだと考えているんだ」
今のNBAではトッププレーヤーの選手寿命が長くなり、36歳でプレーし続けるハーデンも珍しい存在ではない。それでも彼はNBA優勝という大願成就のために、プレースタイルを変え、チームを変え、時にはプライドも捨てて前に突き進んでいる。
「努力を抜きにして、このレベルでプレーし続けることはできない。NBAで17年目になるけど、僕は身体のケアに最善を尽くし続けてきた。特にハムストリングを痛めてからは、万全の状態で試合に出続けられるよう努力している。勝つための準備を入念にやってきた自信があるからこそ、その状況に置かれれば良い結果を出せる」
この試合でハーデンは19得点を記録。試合を通じてオフェンスを引っ張ったのは35得点のドノバン・ミッチェルだったが、常に厳しいマークを受けながらエンジン全開、第4クォーターも12分フル出場したミッチェルは、終盤でキレが鈍っており、そこでハーデンは自分の出番を見極めた。「彼が勢いに乗っている時はそのまま任せる。僕がアグレッシブに行くタイミングは、その時だと判断した時だけでいい」とハーデンは言う。
「ドノバンにはいつも『1本任せたいと感じた時は言ってくれ。僕はいつでも準備している』と伝えている。僕が彼の年齢だった時には30得点の選手だったから、その感覚はよく分かっているつもりだ。決して簡単じゃないけど、そのタイミングの見極めは上手くやっていかなきゃいけない」
そしてハーデンは、ミッチェルとのコンビはまだまだポテンシャルを秘めていると話す。「ここに来てまだ2カ月半なんだ。連携を築くには時間と、ともに修羅場をくぐり抜ける経験が必要だ」
