
マレーやゴードンの『功労者』を放出して新体制に?
ナゲッツの2025-26シーズンがプレーオフのファーストラウンド敗退という不本意な結果で終了してから10日、フロント陣が会見を開いた。ヘッドコーチのデビッド・アデルマンの続投を決めるとともに、ニコラ・ヨキッチだけを除いては改革の対象になるとの方針を示した。
ジョシュ・クロエンケ球団社長は「優勝してから3年で結果を残せず、そこには慢心があった」と語る。「慢心も、思うように成長できない停滞もあった。今シーズンの終わり方に納得はしていない。ファンはイライラしているだろうが、私はその1000倍イライラしている。ニコラのトレード以外はすべてが検討対象だ」
まだシーズンが終わったばかりで「すべての議論はこれから始める」とのこと。このオフにはヨキッチとの契約交渉が予定されている。彼は昨夏に契約延長を見送った時点で「永遠にナゲッツの一員であり続けることが僕のプランだ」とコメントしている。プレーオフ敗退が決まった時も、勝てないナゲッツに変化が必要かと問われて「それは僕が決めることじゃない。正直、これがセルビアなら全員クビになるところだ」と言いながらも、「これからもずっと、永遠にナゲッツの一員でありたい」とチームへの忠誠を誓っており、今オフには4年2億9000万ドル(約440億円)の契約更新が合意となる見込みだ。
一方でサラリーキャップは逼迫している。ヨキッチの新契約が始まるのは2027年からでも、来シーズンからはアーロン・ゴードンの3年1億400万ドル(約160億円)、クリスチャン・ブラウンの5年1億2500万ドル(約190億円)の大型契約がスタートする。ジャマール・マレーの4年2億800万ドル(約310億円)の契約は2年目を迎えるところ。昨夏にマイケル・ポーターJr.を放出してもなお、優勝の功労者を抱える限りは巨額の契約に頭を悩ませることになる。
クロエンケ球団社長の「すべてが検討対象だ」という言葉は、マレーやゴードンのトレードを意味するのかもしれない。マレーはヨキッチとのピック&ロールとハンドオフで無限のオフェンスを生み出す。ゴードンの力強さとエネルギーは、ヨキッチと組み合わせることでディフェンスの弱点がなくなる。ヨキッチを中心に、攻守に噛み合うこのトリオが優勝の原動力となったのは間違いない。しかし、それから3年が経過し、年齢を重ねた彼らはキャリアの全盛期ではあっても無理が利かなくなりつつある。それでも3年前より成熟しているヨキッチがいる限りは、優勝を狙えるチームであり続ける必要がある。
The duo startin’ this one pic.twitter.com/Lin6KP9ONT
— Denver Nuggets (@nuggets) May 1, 2026
「最善だと判断したことを迷いなく行っていく」
マレーもゴードンもケガが増えており、これからキャリアは下り坂を迎えるのに大型契約を抱えている。ナゲッツ以上に彼らを評価するチームはいないはずで、トレードを成立させるのは簡単ではない。それでも彼らをこのまま残留させるのであれば、23歳のペイトン・ワトソンに新契約を提示できず、放出することになる。複数のポジションを守れる万能性と攻守のエネルギーという、今のナゲッツに最も必要な要素を持つワトソンを放出して、静かに傾きつつあるチームを立て直すことができるのだろうか?
『ナゲッツ・キラー』と化したティンバーウルブズに対抗するには、それに負けない若さと運動能力が必要だ。サンダーとスパーズは今もなお成長を続けている。優勝の後はセカンドラウンド2回、そしてファーストラウンド敗退と緩やかに後退するナゲッツが現状維持ではならないはずだ。
「優勝した他のチームと比較しても、我々が勝利の文化で劣っているとは思わない」とクロエンケ球団社長は言った。それでも、ヨキッチを中心とする新たな枠組みが必要だし、サラリーキャップの厳しい制限の中でそれを成し遂げる必要がある。セカンドエプロンを回避するのはもちろん、リピータータックスの制限を避けるために贅沢税の範囲から一度抜け出す必要もある。
勝つために高額のタックスを払うのか、一歩下がって立て直すのか。クロエンケ球団社長は「すべてが検討対象だ」と率直に語った。「チームを強化する大きな動きができないのであれば、リピータータックスを避ける位置に行くのが責任ある判断となる。逆に今のメンバーで戦うことが最も競争力が高いと判断すれば、そうする。我々は常に『コート上の才能には金を払う』というスタンスだ。勝利のために最善だと判断したことを迷いなく行っていく」
ナゲッツは昨シーズン終盤のマイケル・マローン解任と同時に、カルビン・ブースGMも解雇した。その後は『共同運営』のスタイルでチームを編成している。「すべてはグループとしての総意で決まる。フロントと戦略グループが、あらゆる可能性を話し合う。最終決定は私の責任で下すが、その前に徹底的に議論する」とクロエンケは説明する。
「去年のオフもアシスタントGMで持ち上がり、検討を進めた上で我々の話し合いに持ち込まれたトレードのアイデアがあった。そこから全員で知恵を出し合い、チームにとって正しい方向性を見極めていった。今回もそうやっていくつもりだ」