悪い流れを早々に断ち切り、SR渋谷を寄せ付けず完勝
栃木ブレックスがサンロッカーズ渋谷のホーム、青学記念館に乗り込んだ第1戦。立ち上がりこそスローな展開ながら点を取り合う接戦になったが、第2クォーターに入ると栃木が速いボールムーブでSR渋谷のディフェンスをかき乱し、一気に10点のリードを得る。安齋竜三ヘッドコーチが「ハードスケジュールの中、コンディショニングやケガの不安があるのでタイムシェアを意識した」と試合後に語ったように、第1クォーターから目まぐるしく選手を入れ替え、それでもやるべきバスケットを徹底したことでリードを作った。
安齋ヘッドコーチは「チャンピオンシップに選手をどう出せるかを見ているのもあります。その判断を今このゲームでやっている」と語る。シーズン途中に加入してチームにフィットしてきた比江島慎のオフェンス能力をどう生かすか、長期欠場明けでまだ試運転の田臥勇太と喜多川修平をローテーションにどう組み入れていくか、チャンピオンシップに向けた調整も進んでいる。
栃木は14点リードで前半を折り返したが、後半に入ってターンオーバーから流れを悪くし、ベンドラメ礼生の3ポイントシュートなどでSR渋谷に7点差まで追い上げられる。しかし、その直後に栃木はタイムアウトを取りメンバーチェンジ。竹内公輔が取ったディフェンスリバウンドから速攻に持ち込み、田臥、比江島を経由して最後は竹内のバスケット・カウント。悪い流れを早々に断ち切った。
「ちょっと途中、軽いプレーでターンオーバーを起こしたりという反省点はあります。そこはチャンピオンシップでは命取りになるので、そういう軽いプレーだけはしないように」と、安齋ヘッドコーチは後半立ち上がりの出来の悪さを指摘したが、そこを乗り切った後は危なげない試合運びで、72-61で勝利している。
満身創痍のSR渋谷、ラスト3試合で意地を見せられるか
SR渋谷は今シーズンの栃木戦は5戦全敗。伊佐勉ヘッドコーチは「すごくフィジカルなチームに対してオフェンスもディフェンスもソフトで入ってしまって、向こうのペースでやられた」と完敗を認める。後半に追い上げる時間帯もあったが、「少しは縮まりましたけど、トップチームを10点以上追いかける展開はエナジーも使いますし、ちょっと開きすぎた」と反省を語る。
今日の第2戦、栃木がチャンピオンシップに向けた準備を着々と進める中、ケガ人が多く戦力の駒が足りないSR渋谷の苦戦は否めない。もっとも、ここで敗れればシーズン6戦すべてで栃木に敗れることになる。次節も青学記念館で千葉ジェッツ戦。厳しい戦いが続くが、ホームアリーナで負け続けてシーズンを終えるわけにはいかないはずだ。