グレッグ・ポポヴィッチ

ウェンバニャマがセンターとして史上最年少の1試合50得点

スパーズは今月上旬から体調不良で離脱しているグレッグ・ポポビッチヘッドコーチについての詳細を発表した。139-130で勝利した現地13日のウィザーズ戦を含め7試合を欠場しているポポビッチは、112日に軽い脳卒中を発症したとチームが発表。すでにリハビリを開始しており完治が期待される状況だが、復帰の見通しは立っていない。

ポポビッチは現在75歳。2020年にヒュービー・ブラウンが記録した71歳を更新し、NBA史上最年長のヘッドコーチとして指揮をとっていた。さらにNBA歴代1位となるレギュラーシーズン通算1390勝、歴代2位となるポストシーズン通算170勝、さらに通算5度のNBA制覇と傑出した実績を残している。

現在、暫定ヘッドコーチとしてスパーズを指揮する37歳のミッチ・ジョンソンは、ウィザーズ戦の前に「それぞれの役割を果たし、お互いに寄り添って支え合うことが私たち全員に求められている。そして私たちは、彼が戻ってくる日を楽しみにしている。最も重要なことは彼が必要とするモノをすべて揃え、回復するための時間を与えることだ」と語っている。

名指揮官が不在の中でもチームは奮闘しており、今日の勝利で66敗の勝率5割に戻した。特にビクター・ウェンバニャマは50得点6リバウンド3ブロックの大暴れで、勝利の原動力となった。

現在20歳と314日のウェンバニャマは、NBA史上4番目の若さで1試合50得点をマーク。彼より早くこの記録を達成したのはブランドン・ジェニングス、レブロン・ジェームズ、デビン・ブッカーといずれもガードとフォワードの選手であり、センターとしては史上最年少での記録達成となる。

ただ、ウェンバニャマ本人は冷静だ。「最初に思ったのは、これからの試合のパフォーマンスによって今日の試合が陰に隠れることだ。(この試合を)将来的には単なる1試合に過ぎなかったと思えるようにしたい」

さらに彼はこの試合で3ポイントシュートを16本中8本成功させたが、米放送会社の『NBC』によると、3試合連続で3ポイントシュートを5本以上成功させたセンターはNBA初だという。

ウェンバニャマの最大の武器は、220cmを超えるサイズと身体能力を生かしたゴール下へのアタックだ。対戦相手は、彼のインサイドでの得点を抑えるために、外角シュートについてはある程度は捨てるという戦術をとっていた。しかし、この3試合のように3ポイントシュートを高確率で決め続けるようになったら、彼は従来の常識がまったく通用しないエイリアンとなる。

進化が止まらないウェンバニャマを筆頭に、スパーズはこの逆境をチーム一丸となって乗り越えようとしている。