「41得点したから良いプレーをしたとは思っていない」
ナゲッツはサンダーとクリッパーズを相手に開幕2連敗を喫した。2試合の結果でパニックに陥る必要はないが、ヘッドコーチのマイケル・マローンはこの2敗が偶然ではないことを理解し、普段は感情的な彼が冷静さを保ち、どのような修正をすれば問題を解決できるのかと必死で頭を回転させている。
開幕戦はサンダーを相手に、第3クォーターからずるずると引き離されて87-102の大敗。3ポイントシュートが38本中7本成功(18.4%)と壊滅的だったが、サンダーも36本中8本成功(22.2%)と大して差はない。問題は昨シーズンから引き続き選手層の薄さで、セカンドユニットが出るとただちに失速してしまう。昨シーズンまでセカンドユニットを支えていたクリスチャン・ブラウンが先発に昇格したことで、弱点はより顕著となった。
クリッパーズ戦も同じだった。立ち上がりから互角の攻防となったが、第1クォーター終盤に主力を一度ベンチに下げると、途端に離されてしまう。ジャマール・マレーを最初に下げ、他の主力を下げる時に再び投入してセカンドユニットの得点源にする起用法がナゲッツの定番だが、それが機能していない。クリッパーズ戦ではマレーではなくマイケル・ポーターJr.を最初に下げてセカンドユニットと絡ませたが、これも上手くいかなかった。
層の厚さを武器とするサンダーが相手ならまだ理解できるが、カワイ・レナード不在のクリッパーズに選手層で差を見せ付けられるのでは厳しい。ベンチから出るラッセル・ウェストブルック、ジュリアン・ストローサー、ペイソン・ワトソン、ダリオ・シャリッチは目立った活躍がなく、特にニコラ・ヨキッチをベンチに下げる時間帯のスモールラインナップはイビチャ・ズバッツにインサイドを支配された。
開幕戦でのヨキッチは「このチームはジャマールとマイク(ポーターJr.)を除けば平凡なシューターしかいない」と3ポイントシュートの不調を嘆いたが、この試合での彼は12本中7本の3ポイントシュートを決めて、彼自身が優れたシューターであることを示している。だが、セカンドユニットは相変わらず低調で、さらなる問題も浮上した。
苦労しながらも最大18点ビハインドから挽回し、第4クォーターが進むにつれて先発の5人がコートに戻って来る。ウェストブルックに代わってブラウンが入った残り4分半で91-89とリード。スタートの5人の実力には絶対の自信があり、「何とかここまで漕ぎ着けた」感があったが、ここから逆転負けを喫した。
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— LA Clippers (@LAClippers) October 26, 2024
ヨキッチが不用意なパスミスでチャンスを潰し、マレーが数的優位にもかかわらず慌てて出したパスを奪われて速攻を浴びる。指揮官マローンは「ターンオーバー10はそう多いわけじゃないが、クラッチタイムに3つのターンオーバーをやり、イージーなトランジションダンクを食らうようではダメだ。これは命取りになると思った」と語る。
マレーは「シュートは決まることも外れることもある。どの選手も成功するし失敗もする。でも結局のところ、勝敗はエネルギーと努力、ディフェンスの安定感、ターンオーバーからの速攻にかかっている」と言う。
2試合で87点、104点と得点が思うように伸びない。開幕戦はトリプル・ダブル、この試合は41得点を挙げたヨキッチはこう語る。「守備はそんなに悪くないと思うけど、フリーで打つシュートを外したり、レイアップを落としたり。一生懸命やっているつもりだけど、足りないのかもしれない。41得点したから良いプレーをしたとは思っていないよ。みんなもっと良いバスケをしなきゃいけない」
ヨキッチは41得点を奪ったが、アシストは4つだけでターンオーバーが5。ペイントエリアで彼がパスを受けたら徹底的にダブルチームに行ってボールを離させる守備を、サンダーもクリッパーズもやってきた。これは昨シーズンのプレーオフでティンバーウルブズがやった守備だ。今のところナゲッツには、これを打開する手がない。
パニックに陥ってはならない。と同時に、シーズン序盤のうちに問題を解決しなければ状況はどんどん悪化する。一昨シーズンのチャンピオンは、開幕早々から苦境に立たされている。