対留学生にも「スピードのミスマッチで行ける」
大阪薫英女学院は岐阜女子に74-92で敗れ、悲願のウインターカップ初制覇はならなかった。
「決勝まで来たので、最後は勝ちたかった」。そう悔しさをにじませたのは2年生センターの森岡奈菜未だ。森岡は40分間コートに立ち続け、3年生スコアラーの清水咲来に次ぐ、チーム2番目の17得点を記録したが、チームを勝利に導くことはできなかった。
「先生も最後にできることはやったと言ってくださったから良かったと思うんですけど、自分的にはもっと決められるシュートがあったと思うし、もっとリングに向かえるところもあったと思います」と、17得点を挙げながらも得点面でもっと貢献できたと話す。
「留学生に付かれているところがスピードのミスマッチで行けると分かっていたので、最初からそれはずっと狙っていました。そこを決めていたらもうちょっとチームは乗れてたかもしれないし、勝てたかもしれない」
「もっとチームを引っ張って、勝たせられるように」
悔いはディフェンス面にもある。ハディ・ダフェに31得点、イベ・エスターチカンソに11得点と留学生センターを止められなかった。単純にマッチアップに負けたというより、留学生の身体能力を生かす岐阜女子のバスケットの上手さが薫英を上回ったという印象。森岡は身体をぶつけ、駆け引きをしながら、できる限りの抵抗をした。
それでも森岡の手の届かないところにパスを入れられ、簡単にゴール下を決められるシーンが目立った。「ボールを持たれても、シュートを打つ瞬間に跳べばカットできるのに、手を上げたままになってしまったところはありました。ファウルを抑えようという思いでしたが、そこは思い切り跳べたら良かった、もうちょっとできることはあったんじゃないかなって思います」
キャプテンの北川聖が「どれだけインサイドで相手にやられても、取られたら取り返そうってやってきました。それは見せられたと思います」と言うように、『薫英らしさ』をウインターカップの決勝の舞台で見せることができた。
頼りになる先輩は卒業し、新チームでは森岡がチームの中心となるだろう。森岡もそうした大黒柱としての自覚はすでに持っている。「来年は(清水)咲来さんとか、得点を取ってくれるエースがいなくなります。そこを私が埋めていけるようにして、自分がもっとチームを引っ張って、勝たせられるようになりたいです」
ベスト4に進出した時点で「メインコートでプレーすることが今年の目標の一つだったので、目標が叶ってうれしい」と話していた森岡だが、全国制覇という真の目標は達成できなかった。それでも2年生ながら大会注目選手の一人である奥山理々嘉とマッチアップし、全国トップレベルの留学生と戦い続けた今大会は、得難い経験となったに違いない。来年のウインターカップで躍動する森岡の姿が目に浮かぶ。