ケビン・ラブ

「対戦相手である時を除けば、常に彼らを応援しているよ」

ケビン・ラブは先月、キャバリアーズとの契約最終年をバイアウトしてヒートに加わった。彼はその決定を全く後悔していないが、キャブズへの愛着は今なお強い。現地3月9日、マイアミでの試合で彼は初めて古巣と対戦した。その試合後、主にクリーブランドのメディアに対して、彼は率直な思いを明かしている。

「この仕事をしていて、今まで最も困難な決断だった。僕はクリーブランドとオハイオ州を愛しているし、キャブズのファンは僕をいつも応援し続けてくれた。キャブズで勝つことに意味があると思っていたし、アリーナに掲げられた優勝フラッグを見るたびに特別な思いを感じていた」

レブロン・ジェームズが去ったキャブズは再建チームに転落し、再び強さを取り戻すまで長く辛い期間があった。それを耐え抜き、上位を狙えるチームができたタイミングでラブは移籍を決めた。

「僕はまだプレーできる。キャブズにいる限りは自分の可能性をあきらめ、より大きなものを優先しなければならない。でも、『ただそこに座っている男』になるにはまだ早いと思っていたんだ」とラブは言う。

「もっとプレーしたい、という意味でフラストレーションを感じていた。チャンスを与えられればチームに貢献できると思っていた。フロントやコーチに怒りや悔しさの感情があるわけじゃなく、ただ『僕はまだプレーできる』というプライドがあった。ちゃんと準備をしていれば、いずれチャンスは来たかもしれないけど、プレーオフまでは待てなかった。ただ、僕のキャブズへの思いは変わっていない」

ヒートは彼と契約を結ぶ際、背番号『0』を着けたらどうかと提案したが、ラブはこれを断った。いずれ永久欠番になるであろうキャブズの『0』は、ラブにとっても唯一無二なのだ。今もラブは選手たちのグループチャットに参加しており、コメントも頻繁に残している。ヒートvsキャブズの試合前にはかつてのチームメートが次々と姿を見せ、以前と変わらぬ敬意のこもった『グランパ』(じいちゃん)という呼び名で彼に挨拶した。

ラブは言う。「みんな僕のところに顔を出してくれた。みんなお互いのことが好きで仲の良い、素晴らしいチームだよ。僕は彼ら全員を愛している。ただ、コートの反対側にいるみんなを見るのはつらいね」

試合はキャブズが104-100でヒートを破った。ラブは21分の出場で8得点8リバウンド2アシストを記録。「勝ちたかった」とラブは言うが、プレーオフへまた一歩前進したキャブズの勝利を喜んでいるようにも見えた。「対戦相手である時を除けば、常に彼らを応援しているよ」