上位チームには、高いボール支配率を誇る選手が多数在籍
この記事を開いてくれたすべての皆様、数字の沼へようこそ。自称『日本一スタッツをとる素人』である私しんたろうが、公式サイトのボックススコア(ベーシックスタッツ)から一歩踏み込んだ、『アドバンスドスタッツ』を紹介、解説していきたいと思う。
今回は、『USG%(Usage Rate)』を紹介しよう。
このスタッツはNBAでは一般的に知られている数字で、チームの攻撃回数のうち『その選手で攻撃が終わった割合』を意味する。つまり、『その選手で攻撃が終わる割合が高い=最後に頼られる選手=チームのエース』ということが分かる。
計算式は以下の通り。
pPosession =選手がショット、ターンオーバー、フリースローを得た回数
(計算式) FGA + TOV + (0.44 × FTA)
TmPosession = チームが攻撃権を得た回数
(計算式) 0.5 × ((Tm FGA + 0.4 × Tm FTA – 1.07 × (Tm ORB ÷ (Tm ORB + Opp DRB)) × (Tm FGA – Tm FG) + Tm TOV) + (Opp FGA + 0.4 × Opp FTA – 1.07 × (Opp ORB ÷ (Opp ORB + Tm DRB)) × (Opp FGA – Opp FG) + Opp TOV))
FGA=フィールドゴール試投数 TOV=ターンオーバー FTA=フリースロー試投数 ORB=オフェンスリバウンド DRB=ディフェンスリバウンド FG=フィールドゴール成功数
Tm〇〇 = チームの〇〇総数(例:Tm FGA=自チームのフィールドゴール試投数)
Opp〇〇 = 相手の〇〇総数(例:Opp FGA=相手チームのフィールドゴール試投数)
『TmPosession』や『pPosession』については、提唱したアナリストによって計算式が若干異なるが、実際の数値は計算式で大きくずれる事はない。また、オフェンスリバウンドに対する考え方は、個人のポゼッションとチームのポゼッションとで全く異なるため、今回は分母と分子で違った計算式になっている。
前置きが長くなってしまったが、第22節終了時点での『USG%』ランキングを見てみよう。
※出場試合25試合以上の選手でランキング
順位 | チーム | 選手 | 試合数 | 平均出場時間 | 平均得点 | USG% |
1 | 島根 | ペリン・ビュフォード(#2/SF) | 37 | 35:40:00 | 22.5得点 | 34.24% |
2 | 三河 | ダバンテ・ガードナー(#54/PF) | 38 | 31:33:00 | 21.2得点 | 31.13% |
3 | 川崎 | ニック・ファジーカス(#22/C) | 37 | 32:43:00 | 20.5得点 | 29.99% |
4 | 横浜BC | 河村勇輝(#5/PG) | 37 | 28:14:00 | 18.5得点 | 29.35% |
5 | 京都 | ジェロード・ユトフ(#1/PF) | 38 | 32:04:00 | 18.4得点 | 28.47% |
6 | 秋田 | スタントン・キッド(#7/SF) | 38 | 33:14:00 | 18.3得点 | 27.72% |
7 | 茨城 | チェハーレス・タプスコット(#11/PF) | 38 | 34:35:00 | 15.2得点 | 26.53% |
8 | 大阪 | ディージェイ・ニュービル(#25/PG/SG) | 38 | 32:29:00 | 17.9得点 | 26.25% |
9 | 群馬 | トレイ・ジョーンズ(#4/SF) | 33 | 28:32:00 | 20.6得点 | 25.47% |
10 | 富山 | ブライス・ジョンソン(#5/PF) | 33 | 29:14:00 | 19.7得点 | 25.33% |
11 | 千葉J | 富樫勇樹(#2/PG) | 38 | 29:34:00 | 14.6得点 | 24.99% |
12 | 名古屋D | コティ・クラーク(#4/PF) | 34 | 30:10:00 | 20.3得点 | 24.85% |
13 | 北海道 | ブロック・モータム(#12/PF) | 38 | 30:14:00 | 18.7得点 | 24.45% |
14 | 信州 | ジョシュ・ホーキンソン(#24/C/PF) | 37 | 33:08:00 | 18.3得点 | 24.13% |
15 | 島根 | 安藤誓哉(#3/PG) | 38 | 35:19:00 | 15.8得点 | 23.80% |
16 | 新潟 | ケヴェ・アルマ(#4/C/PF) | 37 | 30:52:00 | 15.4得点 | 23.64% |
17 | 信州 | 岡田侑大(#77/PG/SG) | 36 | 26:21:00 | 13.9得点 | 23.33% |
18 | 琉球 | アレン・ダーラム(#7/C/PF) | 38 | 27:47:00 | 16.0得点 | 23.20% |
19 | 広島 | ドウェイン・エバンス(#13/SF/PF) | 34 | 29:03:00 | 17.3得点 | 23.04% |
20 | 広島 | ケリー・ブラックシアー・ジュニア(#8/C/PF) | 38 | 26:52:00 | 15.8得点 | 22.92% |
21 | 新潟 | コフィ・コーバーン(#21/C) | 27 | 34:54:00 | 20.4得点 | 22.42% |
22 | 三遠 | アイゼイア・ヒックス(#4/PF) | 36 | 28:39:00 | 14.7得点 | 22.41% |
23 | 京都 | シェック・ディアロ(#31/C/PF) | 37 | 30:24:00 | 16.2得点 | 22.19% |
24 | 滋賀 | ケルヴィン・マーティン(#1/SF/PF) | 38 | 28:01:00 | 13.2得点 | 22.09% |
25 | A東京 | セバスチャン・サイズ(#11/C/PF) | 38 | 27:04:00 | 13.6得点 | 21.92% |
26 | SR渋谷 | ケビン・ジョーンズ(#5/PF) | 36 | 29:34:00 | 16.9得点 | 21.76% |
27 | 仙台 | ネイサン・ブース(#45/C/PF) | 38 | 28:21:00 | 13.6得点 | 21.74% |
28 | 島根 | ニック・ケイ(#4/C/PF) | 38 | 32:13:00 | 16.3得点 | 21.72% |
29 | 琉球 | ジャック・クーリー(#45/C) | 37 | 28:37:00 | 17.2得点 | 21.68% |
30 | FE名古屋 | エヴァンスルーク(#3/PF) | 38 | 31:06:00 | 12.6得点 | 21.59% |
31 | 仙台 | ジャスティン・バーレル(#24/C/PF) | 38 | 28:34:00 | 13.4得点 | 21.47% |
32 | SR渋谷 | ライアン・ケリー(#34/SF/PF) | 31 | 28:06:00 | 16.7得点 | 21.28% |
33 | FE名古屋 | ジェレミー・ジョーンズ(#22/SF/PF) | 38 | 31:42:00 | 13.0得点 | 21.20% |
34 | 千葉J | ヴィック・ロー(#4/SF/PF) | 34 | 27:14:00 | 15.6得点 | 21.14% |
35 | 千葉J | クリストファー・スミス(#34/SG/SF) | 37 | 24:18:00 | 17.0得点 | 20.69% |
36 | 琉球 | 今村佳太(#30/SG/SF) | 38 | 26:31:00 | 11.1得点 | 20.63% |
37 | 横浜BC | チャールズ・ジャクソン(#10/C) | 38 | 28:29:00 | 15.7得点 | 20.19% |
38 | 宇都宮 | ジョシュ・スコット(#40/C/PF) | 38 | 30:40:00 | 12.2得点 | 20.10% |
39 | 大阪 | ショーン・オマラ(#54/C) | 36 | 23:28:00 | 12.6得点 | 19.83% |
40 | 横浜BC | デビン・オリバー(#15/SF/PF) | 38 | 28:29:00 | 12.4得点 | 19.60% |
41 | A東京 | 安藤周人(#9/SG) | 38 | 25:04:00 | 11.9得点 | 19.41% |
42 | 富山 | コーディ・デンプス(#8/PG) | 37 | 25:06:00 | 10.1得点 | 19.36% |
43 | 北海道 | ショーン・ロング(#21/C/PF) | 38 | 23:41:00 | 14.7得点 | 19.33% |
44 | 宇都宮 | アイザック・フォトゥ(#42/PF) | 36 | 26:47:00 | 13.3得点 | 19.22% |
45 | 三遠 | サーディ・ラベナ(#0/SG) | 38 | 24:42:00 | 10.6得点 | 19.21% |
46 | 川崎 | 藤井祐眞(#0/PG/SG) | 38 | 25:15:00 | 11.6得点 | 19.02% |
47 | 三遠 | 佐々木隆成(#24/PG/SG) | 38 | 26:16:00 | 11.2得点 | 18.97% |
48 | 秋田 | 古川孝敏(#51/SG/SF) | 38 | 24:55:00 | 12.5得点 | 18.95% |
49 | 名古屋D | 齋藤拓実(#2/PG) | 36 | 24:55:00 | 11.8得点 | 18.53% |
50 | 川崎 | マイケル・ヤングジュニア(#2/PF) | 38 | 27:04:00 | 12.9得点 | 18.51% |
やはり目立つのは、高い得点力を誇るビッグマンの中に燦然と輝く横浜BCの河村。しかも、出場時間が30分に満たない中でのランクインということで、ルーキーながら不動のエースであることが分かる。他には、TOP30に3選手がランクインした島根スサノオマジック。これからは、ポストシーズンを見据えてプレータイムの調整が入るかもしれない。そして、個人的に最も恐ろしいと感じているのは、東地区2位(勝率78%)でありながら、タイムシェアを徹底してTOP50にランクインするサイズ(25位)と安藤(41位)の2人が所属しているA東京。こちらは、チーム力の高さがうかがえる結果となった。