勝負どころで得意のトランジションから流れを引き寄せることができず

横浜ビー・コルセアーズは1月28日にホームで京都ハンナリーズとの第1戦に挑み76-80と競り負けてしまった。

この試合、横浜BCは立ち上がりに河村勇輝の連続得点などで14-3と抜け出して主導権を握り、第1クォーターにリードを奪う。この勢いをセカンドユニットも維持し、第2クォーター序盤には松崎裕樹とエドワード・モリスが続けて3ポイントシュートを沈め33-19と突き放す。だが、ここから京都のインサイドアタックに対応できず反撃を許すとリードを2点に減らされて前半を終える。

そして、後半に入ると横浜BCは、第3クォーター終盤から第4クォーターの立ち上がりにかけて久保田義章の個人技で打開され京都にリードを許す。ここから懸命な追い上げを見せて肉薄するが、後半は3ポイントシュートが17本中4本成功のみに終わるなど要所でシュートを決めることができない。一方、京都のジュロード・ユトフに勝負どころでタフショットを沈められて一歩及ばなかった。

横浜BCの青木勇人ヘッドコーチはこう試合を振り返る。「自分たちのターンオーバーと1対1で最後に守りきれずに決められたことで、勝ちを与えてしまったと思います。後半、これから追い上げようというところでディフェンスストップから得点に繋がらない時間が多すぎました」

指揮官が悔やむように横浜BCは、チームとして粘り強いディフェンスをしながらも久保田やユトフにタフショットを決められてしまい、後半の主導権を明け渡してしまった。河村を中心にファストブレイクポイントは21-13と上回ったが、勝負どころで得意のトランジションが不発に終わり自分たちのペースに持ち込めなかった。

順位争いは意識せず「目の前の試合ことだけを考えて取り組む」

この試合19得点12アシスト5リバウンドの河村も、攻守の素早い切り替えによるイージーバスケットなどの横浜BCの武器を出し切れなかったと語る。「簡単なターンオーバーを喫したり、ゾーンオフェンスに気持ちが向きすぎて自分たちの強みであるディフェンスにフォーカスできずに終わってしまいました。ポイントガードとして、もっとコミュニケーションをとって自分たちの強みをチームメートに伝えていかなければいけなかった反省はあります」

また、試合全体を振り返るとどうしても終盤の戦いに目が行きがちだが、最大で14点のリードを奪った前半に、もうひと押しできなかったことも響いたと河村は見ている。「特に前半に10点リードする場面が2回くらいありましたが、そこでもう一つ頑張って20点差に広げられなかったところは力不足で、今日の試合は自分たちから崩れたと思います。クロスゲームにしてしまい、最後は経験値のあるユトフ選手に決め切られて負けてしまいました。僕たちとしてはある程度、点数を離して自分たちがゲームコントロールできる展開にしないといけなかったです」

連勝が4でストップした横浜BCはこれで20勝13敗となり、中地区首位争いで川崎ブレイブサンダースに並ばれる格好となった。チームにとってBリーグ開幕後では初となるチャンピオンシップ出場、さらに地区タイトルを狙える絶好の位置につけているが、それでも河村はこの点を意識しないメンタルで戦っていく。

「漠然とチャンピオンシップというところはありますが、自分たちは他のチームの成績を考えたりするよりも一試合一試合にフォーカスして戦わないと勝っていけないチームです。他のチームと比べてタレントが優れているわけではないので、どんな相手にも全力でぶつかっていかないと勝てない。だからこそ目の前の試合のことだけを考えて取り組み、最終的にチャンピオンシップに行けたらと思うところが大きいです」

ここから今の好成績をキープしていくためには、何よりも連敗しないことが求められる。それはチーム全体が十分に認識しており、河村も「連敗しないことが大事になってくるので、明日は絶対にやり返したいと思います」と強調する。

来週にはリーグ最高勝率の千葉ジェッツとの大一番が控えるが、まずは今日の試合に全身全霊をかけて臨み、しっかりとリベンジを果たすことが何よりも重要だ。