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1963年の以来となる快挙達成を『キング』が後押し

今シーズン22試合を終えて平均31得点、10.9リバウンド、11.3アシストをマークし、『平均トリプル・ダブル』を維持しているサンダーのラッセル・ウェストブルック。レギュラーシーズン日程の約4分の1を消化した時点で語るには気が早いかもしれないが、1963年にオスカー・ロバートソンが達成して以来、NBA史上2人目の『年間トリプル・ダブル』を達成する可能性が話題になっている。

通算トリプル・ダブル数でウェストブルックと争う格好となったキャバリアーズのレブロン・ジェームズは、ウェストブルックの『年間トリプル・ダブル』達成を実現可能と考える一人。12月7日にマディソン・スクエア・ガーデンで行なわれたニックス戦前のシュート練習後、『ESPN』の取材に対しこう語っている。

「ウェストブルックなら年間トリプル・ダブルを達成できるだろうね。彼はまるで『エナジャイザー・バニー』(電池販売会社『エナジャイザー』のテレビCMマスコット)で、疲れを知らない。それに、彼ほどバスケットボールに対する情熱を持っていれば、年間トリプル・ダブルだって可能だと思う」

ジェームズは、現代のNBAが1980年代と同様に1試合のポゼッションが増加し、合計得点が130点から140点を超えている傾向も、ウェストブルックがトリプル・ダブル数を伸ばしている要因と指摘する。

「ポゼッションが増えれば、シュートの試投数も増える。サンダーはそこまで3ポイントシュートを打つチームではないけれど、ポゼッションは多い。つまり、ウェストブルックほどの身体能力があればリバウンドを取れるということ。それにサンダーのオフェンス時にボールを持つ時間が多い選手だからアシストも増える。彼はフリースローも1試合平均9本くらい獲得していて、7本か8本決めているよね(実際は現時点で試投数10.5本、成功数8.5本)。それで7点か8点取れるわけで、1試合に必ず1本はフィールドゴールを決めるから10点に到達できる。彼にとっては難しいことじゃない。だから年間トリプル・ダブルは達成可能と思っているんだ」

ケビン・デュラントがウォリアーズに移籍したことで、今シーズンのサンダーは「ウェストブルックのワンマンチーム」と揶揄されることが多い。確かに、開幕以降ウェストブルックがトリプル・ダブルをマークした11試合で9勝2敗と大きく勝ち越しているのに対し、トリプル・ダブルを達成できなかった11試合では5勝6敗と負け越している。

本人は意識していないだろうが、チームメートのプレー参加とチームの勝利を優先していると主張するウェストブルックにとっても、その両面を実現させるのに必要な要素がトリプル・ダブルということが数字に表れている。つまり、サンダーがプレーオフに進出するには、ウェストブルックのトリプル・ダブルが必要とも言える。ジェームズの指摘通り、サンダーの真のエースとなったウェストブルックにとって、『年間トリプル・ダブル』はさほど難しい目標ではないのかもしれない。

ウェストブルックをマークするレブロン。年間トリプル・ダブルのスタッツを残す選手をマークする方は困難を伴う。