イビツァ・ズバッツ

ここまで9.7得点と10.8リバウンド、ほぼ平均ダブル・ダブルの活躍

イビツァ・ズバッツはNBAキャリア7年目を迎えている。キャリア最初の2シーズン半を過ごしたレイカーズでは脇役に甘んじたが、2018-19シーズン途中にクリッパーズに移籍してからは、モントレズ・ハレルやサージ・イバカを相手に回し、ほとんどの期間でセンターの先発の座を確保している。

そのズバッツは今シーズン、チーム内での立場をより固めて、キャリア最高のパフォーマンスを見せている。アイザイア・ハーテンシュタインがニックスに移籍した後、クリッパーズには控えのセンターがいなくなった。首脳陣が彼を信頼した証とも言えるが、このバランスの悪さは編成の失敗と取られても仕方ない。

しかしズバッツは開幕からここまで19試合すべてに出場し、それまで最長だった24.4分を大幅に上回る30.6分のプレータイムを得て、素晴らしい活躍を見せている。リバウンドは初めて2桁に乗り(10.8)、ブロックは昨シーズンの1.0から1.9へと倍増。9.7得点は例年と変わらぬ数字だが、ズバッツがゴール下でボールを持てば相手はヘルプを送る。その逆を突いて他の選手がペリメーターのシュートを決める形が機能しており、ズバッツの貢献は大きい。

ロケッツ戦ではケニオン・マーティンJr.にポスタライズのダンクを食らって話題となったが、「そういう試合もあるものさ。別の機会に乗り越えればいい」と意に介さない。

良いプレーをしても調子に乗らず、悪いプレーがあっても意識を切り替える。今のズバッツが集中するのは継続してパフォーマンスを続けるためのコンディション管理であり、平均ダブル・ダブルを記録することだ。今シーズンここまで9.7得点、10.8リバウンドと、目標は手の届くところにある。

「あと一歩で届かないシーズンが続いていたから、プレータイムを伸ばすしかないと思っていた。今シーズンはディフェンスにより意識を向けていることで、良いプレーができて、プレータイムも伸びていると思う。僕はこれまでの経験上、プレータイムが長くなればなるほどプレーが良くなると思っている。だから今はたくさんのプレータイムを得て、より自信を持ってコートに立ち、成長できていると思う」

「自分がいるべきポジションを理解し、チームに貢献できるなら何でもやる。そのためにはもっと上手くなりたい。僕は自分自身がこのリーグで最高のリムプロテクターになれると思っている。昨シーズンは上手くやれなかったけど、今シーズンはそれを証明したいというモチベーションがある」

この調子で行けば、今シーズンのオールディフェンシブチームに選出される可能性もある。11勝8敗のクリッパーズの成績がここから上向けば、NBAオールスターに選ばれてもおかしくはない。キャリアが長いためベテランのような風格がすでにあるが、ズバッツはまだ25歳。活躍の場が広がったことで、まだまだ成長できるタレントだ。