昨シーズン、琉球ゴールデンキングスは4度目の挑戦にしてセミファイナルの壁を打ち破り、悲願のファイナル進出を果たした。ただ、ファイナルで宇都宮ブレックスに連敗し、大きな悔しさとともにシーズン終了となった。今シーズンこそ頂点に立つため攻撃の要として大きな期待を集めるのは今村佳太だ。ここまで着実にステップアップを果たし、リーグ屈指の日本人ハンドラーとなった彼の新シーズンに関する意気込みを聞いた。
「ファイナルで勝つために何を積み重ねていかないといけないのか考え戦っていく」
──特にシーズン序盤はどういう部分にフォーカスしようと思いますか。
まずは新しい選手の良さを知ったり、どういうところが得意なのか苦手なのかを理解したいです。そして目先の勝利よりもファイナルで勝つために自分たちが何を積み重ねていかないといけないのか。それを考えていく序盤になると思います。
──今シーズンは開幕から入場制限がない状態です。沖縄アリーナを8,000人、8,500人と埋めるために選手としてやるべきことはどんなことでしょう。
琉球ゴールデンキングスを知ってくださっている皆さんはある程度、自分たちのバスケットがどんなスタイルなのか理解して応援してくれていると思います。自分たちが沖縄アリーナを毎試合、満員にしていくためにはバスケットボールをよく知らない方にも試合に来てもらわないといけない。そういった方たちの心も動かしていくプレーを見せる必要があります。何で心が動くのかは人それぞれだと思いますが、元気や勇気、希望を与えられるプレーを見せたいです。
──来夏には沖縄アリーナを舞台にワールドカップが開催されます。日本代表としてプレーしたいと意識はしますか。
僕としてはめちゃくちゃ意識しています。レギュラーシーズンで自分が良いプレーをしていればそのチャンスは巡ってくると思っていますが、トム(ホーバス)さんのバスケを理解してそれを体現しないといけないです。今、代表チームを見ると少しずつメンバーが固まってきて、自分が入るとしたらこのチームで何ができるのかをすごく考えたりします。ただ、自分のやるべきことは変わらないかなと思っています。
「今度こそファイナルの舞台で皆さんと優勝の喜びを分かち合えるように」
──余談ですが、ファンの皆さんは今シーズンの髪型はどうするんだろうと期待していると思います。
これまであまり髪型を変えるタイプではなかったのが、キングスに来てから多く変えるようになりました。少しブースターの皆さんの反応を楽しみにしている部分もあるので、そこは乞うご期待という感じです。ただ、小野寺(祥太)選手との差別化はしていくと断言します。
──トップチームで活躍する選手は関東の大学出身者が多い中、大学まで地元の新潟で過ごした今村選手は「地方からでもトップ選手になれることを証明したい」と言っていました。それを実際に成し遂げたことについてどう感じていますか。
今、より一層その点について意識していて、現状には全く満足していないです。日本人のBリーグ選手でベストプレーヤーにならないと、地方大学出身選手へのイメージは払拭できない。自分はもっと上に行かないといけないです。オフシーズンになると母校の新潟経営大学に結構行く機会がありますが、Bリーグを目指したい後輩の選手たちが最近は少し増えています。ただ、彼らにチームの関係者にプレーを見てもらえる機会が少ないとよく言われます。地方出身者として、そういう子たちのために自分が道を切り開いて行けたらと強く感じています。選手として結果を残すだけではなくて、そういうアクションも起こしていきたいなとはすごく思います。
──今シーズンは琉球で3年目となり、実績も残していることで中心選手として決意を持って臨むのか、あまり考えないようにしているのかどうですか。
今までチームを背負って立つことはなかったですが、いろいろな経験を積みキングスで3年目となりました。今、自分もそういう立場になってきたのかな、と感じているので真正面からぶつかっていきたいと思います。そういう責任、重圧を受け止めてプレーしたい。今シーズンにおける大きなチャレンジとして、これを楽しみながらやっていきたいです。
──最後にファンへのメッセージをお願いします。
今シーズンの琉球ゴールデンキングスにかかる期待というのはすごく大きいと思います。ただ、移籍した選手の影響で少し不安な方もいると思いますが、自分たちの目指すところは変わらないです。ファイナルに皆さんと一緒に行けたにも関わらず、優勝できなかった悔しさは常にあります。今度こそあの舞台で皆さんと優勝の喜びを分かち合えるように僕自身チームを引っ張りますし、プレーで皆さんを元気にできるように頑張っていきたいと思っています。今シーズンも応援よろしくお願いします。