三遠ネオフェニックスは大野篤史ヘッドコーチを迎え、新体制で2022-23シーズンを迎える。新戦力で注目すべきは金丸晃輔だ。Bリーグ屈指のシューターは、新天地で自分の理想とするバスケを追求すべく、強い意気込みで開幕を迎える。その金丸に、「行けるところまで行くつもりでやります」という 現在の心境を語ってもらった。
「個人的に納得できる数字は……60%か70%ですね」
──先ほどシュートアテンプトについて「最低でも10本は打ちたい」という言葉がありました。昨シーズンを除いてはすべて平均2桁でしたが、金丸選手が自分で納得のいく数字は何本ですか?
調子が悪い日にもたくさん打つのは違うと思いますが、それでも10本は打ちたいですね。良ければ15だったり20だったり、何本というわけじゃなく、その日の調子で決めていけばいいんですけど。
──金丸選手の代名詞と言えば3ポイントシュートですが、2点シュートの成功率にもこだわりたいですか?
僕は3ポイントか2ポイントかは意識していないですね。トータルでの確率を求めています。個人的に納得できる数字は……60%か70%ですね。
──チームのスタッツとして、何かこだわる部分はありますか?
数字よりも24秒の中での配分ですね。ずっとトランジションのバスケをするのも違って、行ける時は行くし、ダメな時はコールしなさいというシンプルな話ですが、ダメな時に勢いのままセットを組まないことが大事で、今もそこを練習しているところです。
──先のプレシーズンゲームでは「勝つために一番大切なことができていなかった」というコメントがありましたが、それは何ですか?
僕の口から言うのも何ですけど、ディフェンスです。ディフェンス、リバウンド、ジャム(相手の速攻を抑えるために自分のマークを押さえること)を徹底しなければいけないのに、できていませんでした。自分たちが徹底して当たり前のことをできずに、相手に速攻をやられていたので。そこができるようにならないと、次のステップに行けません。
「毎日の練習の中で自分の発想をどう表現するかの日々です」
──三遠は大野篤史ヘッドコーチを迎えて新体制となり、金丸選手も補強して注目されますが、Bリーグになって最初のシーズンこそチャンピオンシップに進出したものの、以後5シーズンは勝率5割に届いておらず、今回も優勝候補とは見なされない中で開幕を迎えます。金丸選手としては目標をどこに置きますか?
どうですかね、いろんなところで「何勝を目指す」とか言われていますが、僕はあまり気にしていません。その数字を達成した時に悪い意味で達成感が出てしまいそうで。個人的には「行けるところまで行く」と思っていますし、それがどこなのかは現時点では想像できなくて、やりながら高めていきたいですね。
──その中で金丸選手が個人としてブレずにやり続けたいことは?
3ポイントシュートを打ち続ける、得点を狙い続けることじゃないですかね。逆に僕にディフェンスを求められても、下の中ぐらいなんで(笑)。大野さんも練習中から「自分の得意なものを出しなさい」と常に言っていますが、まさにそうだと思います。
ただ、負けるのは嫌です。自分の性格上、負けず嫌いだしプライドも高いので、「行けるところまで行く」つもりでやります。
──非常に高いモチベーションを持って、三遠での新しいシーズンを迎えられそうですね。
そうですね。今はシュートを打てることが楽しいし、毎日の練習の中で自分の発想をどう表現するかの日々ですから。今までの練習でパーフェクトの日はなく、何かしらできなかったことがあって、「今日できなかったから明日は追求しよう」の繰り返しです。それが良いモチベーションになっていますね。
「自分の持ち味が出せる場所でプレーできると思って興奮しています」
──モチベーションという意味では、家族と一緒になったことも大きいのかもしれませんね。
当然、家に帰れば家族がいるのは充実しますね。島根の時は当たり前ですけど全部自分一人でやらなきゃいけなかったので、あっという間に時間が過ぎていました。
──家族に対する感謝の気持ちも、あらためて感じられるのでは?
単身で島根にいた時には子供から応援の手紙が来たりして、そういううれしさもあったんですけど、今は家に帰ったら子供もいるし、ご飯もあるし。充実してるんですよ(笑)。
──それでは最後に、金丸選手のプレーに期待しているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
今シーズンは自分の持ち味が出せる場所でプレーできると思って興奮しています。まだ多少、感覚が戻って来ていない部分はあるんですけど、焦らずにシーズンを通して良くなっていければいいと思っていますので、そういったところも含めて注目して、楽しんでください。
昨シーズンはあまり勝ち星を得られなかったチームですが、「少しでも」じゃなく「大幅に」勝率を上げることが僕のモチベーションになっています。僕個人でやるのではなく、いかに組織として戦っていけるかが大事で、それができるチームになれるかどうか、チームでバスケをするところを見ていただきたいと思います。応援、よろしくお願いします。