ブリトニー・グライナー

有罪を認めたのは、アメリカ帰国に向けて戦略であると専門家は指摘

ロシアで拘束されているWNBAのスター選手、ブリトニー・グライナーの初公判が行われ、彼女が自身の罪を認めたことが分かった。『ESPN』によると、グライナーは「私は罪を認めます。しかし、これは意図的なものではありません。私は法律を破りたくありません」と英語で語り、それがロシア語に訳されて裁判官に伝えられた。

今年2月、グライナーはロシアのプロバスケットボールリーグでプレーするため入国しようとした際に、空港にて大麻オイルを所持していた疑いで逮捕された。薬物所持は最長で10年間の禁固刑を課せられる可能性があるものだ。その後、アメリカ政府が不当なものと批判し、国際問題に発展している。ちなみに『ESPN』によると、今回、自ら有罪であることを認めたのは、グライナーを囚人交換によって帰国させる戦略を促進させる意味があり、関係者筋はグライナーが無罪になることはありえないという認識を持っている。

また、この点について『Yahoo Sports』はロシア法の専門家、ウィリアム・ポメランツ氏の見解を紹介している。同氏によると、ロシアでは裁判の99%が有罪判決となっており、有罪を認めることで刑期が軽くなる可能性が出てくるという。最も重要なことはロシア当局が裁判終了まで何もしないと宣言していることで、これにより取引成立の道が開けることになると分析している。

先日、グライナーがジョー・バイデン米国大統領へ「帰国のために全力を尽くしてほしい」と懇願する手紙を送っていたことが明らかになった。そして、アンソニー・ブリンケン国務長官は、モスクワの米国大使館の職員が公聴会に出席し、バイデン大統領からの手紙がグライナーに届いたと自身のTwitterで投稿した。さらに「ブリトニー、(スパイ容疑でロシア政府に拘束されている元米国海兵)ポール・ウィーランや不当に拘束されているすべてのアメリカ人が愛する人と再会できるまで我々が容赦することはない」と続けている。

なお、次回の審問は現地7月14日に予定されている。