最強留学生に57得点を奪われるもチーム力で競り勝つ

インターハイ5日目、桜花学園(愛知県)は精華女子(福岡県)に競り勝って決勝進出を決めた。今の高校バスケ界で『最強留学生』の呼び声も高い精華女子のアキンデーレ・タイウォ・イダヤットは、フィールドゴール44本中25本成功の57得点を挙げる大活躍を見せたが、桜花学園がチーム一丸の戦いで上回った。

桜花学園の白慶花コーチは、タイウォの実力を認めながらも「残りの4人が勢いに乗ってしまうのが怖い」と、タイウォに対してトラップを仕掛けるのではなくイシボ・ディバインにマークを任せた。精華女子はここで優位を作るべく徹底したポストアタックを仕掛け、タイウォが大量得点を挙げるのだが、チームのフィールドゴール試投数66本のうち44本をタイウォが打ち、3ポイントシュートの試投数は6本のみ(成功1本)と単調なオフェンスとなった。

「自分の仕事は留学生を抑えること。点数はかなり取られましたが、その分はみんなが取り返してくれました」と、タイウォのマークを担当したディバインは語る。「相手は自分より大きいし力も強いので、私は腰を落として全身を使って、ペイント内で手を挙げて。それでも守れなかったりファウルを吹かれたのですが、最後までやりきりました」

ファウルトラブルにも見舞われたが、2年生の水林夢翔と1年生のクースィク・アナヒタも含めた総力戦でタイウォのマークを徹底し、その時間をしのいだ。

勝負どころの第4クォーターは桜花学園が22-13と上回った。さすがのタイウォも終盤は息切れ。リバウンドに飛び込めなくなり、ゴール下のシュートの精度も落ちた。この時間帯は余力を残していたディバインがタイウォを圧倒した。「あの時間帯はアゲアゲな気持ちだったのが半分、でもまだ試合がどうなるか分からないので集中しているのが半分でした」とディバインは笑う。

ディバインは25分のプレーで15得点8リバウンドを記録。数字ではタイウォに劣るが、インパクトでは上回ったし、何より欲しかった勝利を手に入れた。

試合終盤のディバインはスピンムーブでタイウォをかわしてのステップバックジャンパーを決め、ベンチと観客席を大いに沸かせた。「去年の先輩の白石弥桜さんが、留学生相手にどうやって得点できるかの練習の相手をしてもらっていました。184cmの白石さんを相手にしっかり片手で打ち切るジャンプシュートを練習した成果が出ました。私はゴール下も結構簡単に落としてしまうのですが、今日は3ポイントシュートも1本決めることができて良かったです」

難敵相手に粘りのバスケで競り勝ったことでチームは自信を増している。インターハイの女子決勝は明日10時ティップオフとなる。