Wリーグで出場機会とともにプレーへの自信を取り戻す
バスケットボール女子日本代表は、7月13日から中国で開催されるFIBA女子ワールドカップ2025に向けた選手選考が佳境に入っている。
最終ロスターの12名の枠を巡り、合宿に参加しているのは15名。その中で昨夏のパリオリンピックに出場したのはキャプテンの髙田真希など4名のみで、コーリー・ゲインズ新体制となって陣容は様変わりした。奥山理々嘉はフル代表での国際大会初出場を目指す注目選手の一人だ。
25歳の奥山は、2017年のウインターカップで大会記録となる1試合62得点を挙げるなど世代屈指のスコアラーとして活躍。3ポイントシュートを武器とする180cmの大型シューターとして東京オリンピックの選考レースでは16名の段階まで残ったが、最後の12名に絞るタイミングで落選となった。
パリオリンピックでも代表入りを期待されたが、その後は当時所属していたENEOSサンフラワーズで出場機会を得るのに苦戦し、この4年間は代表争いに絡むことがなかった。しかし今回は、5月中旬に若手中心で開催されたセレクションキャンプから数々の競争を勝ち抜いている。
「この前の中国遠征で初めてコーリーのバスケを実戦形式でやりました。走るバスケットからの3ポイントシュートは、自分にとてもフィットしていると手応えを感じています」
「いろいろな課題はありますが、東京オリンピック前の強化合宿に呼んでいただいた時よりバスケットに対する理解度も深まっています。今までの代表活動の中でも一番思い切り良くプレーできています」
「前よりも芯を持ってコートに立てている」
過去2シーズンは日立ハイテククーガーズに所属。昨シーズンは中心選手としてプレーし28試合出場で平均13.7得点、6.5リバウンドとキャリアベストの数字を残した。「ハイテクでの2年間プレータイムが長くなり、チームの中心になることで遠慮せずにプレーできるようになりました。たくさん出たことで、試合の状況が読めるようになってきました」と、自身の変化を語る。
「自分の長所は走力と3ポイントシュートです」と長距離砲にこだわりを持つ一方、そこに依存しないことがこの4年間の進化だ。「3ポイントシュートが打てなかった時にどうしようという課題をずっと抱えていました。この数年間、ドライブだったり、オフェンスのバリエーションを増やしてきたつもりです。3ポイントシュートだけが武器ではないと思えているのは成長しているところです」
アジアカップを前に最後のアピールの場となる7月3日、4日のデンマークとの強化試合へ向け「迷いなくプレーすることが大事です。状況判断をしっかりして、自信を持ってプレーできたらいろいろなことが経験できると思っています」と意気込む。
「今、オールラウンドにプレーしていて、自分のやるべきことがクリアです。前よりも芯を持ってコートに立てていると思います」と、心身ともにたくましさを増した奥山のプレーに注目だ。