カイリー・アービング

7選手が健康安全プロトコル入り、デュラントも足首に痛み

カイリー・アービングは今シーズンいまだ1試合にも出場していない。ケガを抱えているわけではなく、新型コロナウイルスのワクチンを接種していない彼は、ニューヨーク市のルールによりホームゲーム全試合に出場できない。ネッツはそのカイリーに対し、アウェーゲームにだけ出場させるのではなく、チームから外すことを選択した。

カイリー抜きでもネッツは19勝8敗で東カンファレンスの首位に立っている。しかし、先発ポイントガードである彼の不在は、他の選手への負担増を意味する。ケビン・デュラントはシーズン前半のこの時期から40分近くプレーする試合が続いているし、ジェームズ・ハーデンはゲームメークを担うことで本来の得点能力を発揮できずに苦しんでいる。

現地12月14日に行われるラプターズ戦に向けて、ジェボン・カーター、ジェームズ・ジョンソン、ラマーカス・オルドリッジ、ポール・ミルサップ、ディアンドレ・ベンブリー、ジェームズ・ハーデンとブルース・ブラウンが健康安全プロトコル入りとネッツは非常事態に陥っている。さらにはデュラントも右足首の痛みを訴えており、本来なら休養させたいところ。健康安全プロトコルに複数の選手が抵触するのはアクシデントだが、デュラントやハーデンのように替えの利かない選手に疲労が蓄積してパフォーマンスを落とす、あるいはケガのリスクが高まるのは非常に厄介な問題だ。

指揮官のスティーブ・ナッシュは「我々は彼を待つわけにはいかない。前に進まなければならなかった。それでも、シーズンのどこかで彼が戻って来てくれるなら大歓迎だ」とカイリーについてコメント。「ただ、今の我々がそれをアテにしてはいけない」と付け加えてもいる。

ニューヨーク市の厳しいルールはしばらく変わらないようだ。オミクロン株の出現で感染が再び拡大しようとする今、規制緩和は考えづらい。新たな市長はワクチン推進派でもある。

そんな中、カイリーはInstagramのストーリーに、シューズを履く短い動画を投稿した。場所はチームの練習施設のようで、コートに戻る意思の表れのようにも見える。

首位に立っていてもなお、ネッツがプレーオフで勝ち進むのは難しいとの意見が大勢を占めている。あくまで『ビッグ3』で戦う方針で作られたチームが、カイリーが全休のままで優勝できるほどNBAは甘くない、という見方だ。ここでカイリーが戻って来れば状況は一気に好転するのだが、果たして。