シモンズはチームが準備したメンタルヘルスの専門家と会うのを拒否
セブンティシクサーズはブルズ、ピストンズとの連戦を2つとも勝ち、7勝2敗と結果を出している。しかし、NBA開幕から半月が経過した今も『ベン・シモンズ問題』は解決の方向に向かっていない。
シモンズは昨シーズンのプレーオフでの消極的なプレー、シュート精度の低さで戦犯扱いをされたことで、球団との関係が悪化。オフの間にトレード要求を行い、トレーニングキャンプには参加しなかった。開幕直前にチームに合流したものの、全くやる気のない態度だったために練習から追い出されている。これにより彼は200万ドル(2億2000万円)の罰金とともに出場停止処分を受けて開幕戦を欠場した。
その後、シモンズが「精神的にプレーする準備ができていない」と訴えたことで、球団は罰金を科すことをやめ、彼の復帰を後押ししようとしたのだが、それでも事態は好転しない。シモンズは背中のケガのケアについてはチームドクターに診てもらっているが、チームが準備したメンタルヘルスの専門家と会うことを拒否している。『ESPN』によれば、シモンズは自分のメンタルについて球団に知られるのを嫌がり、自分で選んだセラピストと対話しているそうだ。
そのまま半月が経過し、業を煮やした球団はシモンズがピストンズ戦を欠場したことに対して36万ドル(3900万円)の罰金を科した。球団はすでに彼への年俸支払いを一時的にストップしており、罰金はそこから差し引かれる。『ESPN』は関係者の証言として、シモンズはチームの練習場には顔を出すものの、球団が求めるメニューをこなさない限りは今後も罰金を科すと報じている。
もはや両者の関係は破綻しており、シモンズがこれまでのようにジョエル・エンビードとともに『チームの顔』としてシクサーズでプレーすることはなさそうだ。しかし、トレーニングキャンプ開始までに、また開幕までにトレード交渉はまとまらず、事態が悪化すればするほどシクサーズの立場は悪くなる。
チームは連勝を続けており、しかもこれはトバイアス・ハリスが健康安全プロトコルにより欠場する中で、残る選手たちがそれぞれステップアップして記録したもの。『シモンズ問題』がチームの結束を固めているのは皮肉な結果だが、この状況で勝ちを伸ばせているのは不幸中の幸いだ。ただ、このままで良いはずはない。ダリル・モーリーGMはこの問題をどう解決に持っていくのだろうか。