東京オリンピックで歴史的『1勝』を目指すバスケットボール男子日本代表、12名の選手紹介
2021/07/25 17:30
男子日本代表

世界ランキング7位のフランスを撃破した勢いで本番へ

東京オリンピックに出場する5人制バスケットボール男子日本代表はグループCに入り、7月26日にスペイン、29日にスロベニア、8月1日にアルゼンチンと戦う。

2年前のワールドカップでは1勝もできず世界との壁を痛感させられたが、現在の日本にはウィザーズの主力として活躍する八村塁、ラプターズとの本契約を勝ち取った渡邊雄太、そしてオーストラリアリーグで優勝したメルボルン・ユナイテッドのシックスマンとして活躍する馬場雄大の『海外組』が揃い、Bリーグでプレーする選手も着実に実力を伸ばして、2年前以上の力が備わったのは間違いない。

ただし日本の世界ランキングは42位で、スペインが2位、アルゼンチンが4位、スロベニアが16位と、対戦相手はかなりの格上であり、日本が掲げる『歴史的1勝』は妥当な目標と言える。それでも、最後の国際強化試合では世界ランキング7位のフランスを撃破しており、本番での番狂わせが期待される。国内組も精鋭が揃い、史上最強の呼び声が高い12名のメンバーを紹介する。

富樫勇樹

PG 2 富樫勇樹

日本が誇るスピードスター。167cmと身長の小ささは一際目立つが、そのサイズの不利を補って余りある得点能力を有するスコアリングガード。ディフェンスで狙われる可能性は高いが、チームオフェンスが停滞した時に流れを変える起爆剤となる。もともとオリンピックを大きな目標に据えて自らのキャリアを築いており、さらにはケガで欠場した2019年のワールドカップの分までと、強い意気込みを持ってこの大会に臨む。フリオ・ラマス体制下では長らく先発ポイントガードを務めたが、ワールドカップの惨敗があり、世界を相手に戦う上ではディフェンスでのミスマッチをなくすことを重視する方針が取られ、今はベンチから出てチームに勢いを与えるシックスマンの役割を担う。日本の理想とするトランジションを推進し、オフェンスを活性化させる武器として期待される。

比江島慎

SG 6 比江島慎

多彩なオフェンススキルを備えたスコアラーであり、長らく日本代表のオフェンスの中心だったが、八村塁を始めとする若い世代の台頭でチームにおいて絶対的な存在ではなくなった。それでも比江島が世界を相手に個で打開できる数少ないプレーヤーの一人であることに変わりはなく、彼自身も『海外組』に良い刺激を受けながらオフェンス力を磨いてきた。ここ数年はあらゆる機会を生かしてディフェンス力の向上にも努めてもいる。先発は外れることになりそうだが、今もなおローテーションの重要な一角を担う。八村と渡邊は徹底マークが来ることが予想される状況で、比江島には『第3の矢』として大事な場面での一発が求められる。その準備はできているはずだ。

八村塁

SF 8 八村塁

NBAドラフト1巡目指名を受けた初の日本人プレーヤー。恵まれた身体能力に加えて奥田中、明成高と日本の育成システムの中で努力を重ね、大学からはアメリカでプレーを続けることで、日本バスケットボール界に新たな風を呼び込んだ。彼が加わることで日本代表はアジアで苦戦するレベルから一気に世界レベルへと向上。その中で彼自身もレベルアップを続けている。3ポイントシュートにミドルシュート、そしてインサイドでの力強いアタックとどこからでも得点できると同時に、ディフェンスの働きも欠かせない日本の大黒柱。課題であるリバウンドでの貢献も含め、八村の攻守に渡る活躍が『オリンピックでの1勝』達成の第一条件となる。

ベンドラメ礼生

PG 9 ベンドラメ礼生

代表候補に毎回選ばれながらも、最後の1枠で落とされる『13番目の選手』として悔しい思いを繰り返し味わってきた。所属するサンロッカーズ渋谷では、チーム事情もありシューティングガードでプレーすることも多かったが、代表での活躍を信じてポイントガードの能力を磨いてきた。鋭いドライブや思い切り良く放つ3ポイントシュートが強みだが、代表ではそれらに加えてアグレッシブなディフェンスで相手の流れを断ち切るシーンが多々見られている。彼の出番は日本のペースではなく、日本がピンチの時。試合の流れを変えられる『秘密兵器』として、その強気なプレーが必要な瞬間は必ず訪れる。

渡邊雄太

SF 12 渡邊雄太

田臥勇太以来2人目の日本人NBAプレーヤー。今シーズン途中にラプターズと本契約を結んだニュースは日本バスケ界に大きな衝撃と喜びを与えた。ラプターズでは主に3ポイントシュートとディフェンスを役割とする『3&D』プレーヤーとして活躍しているが、日本代表では八村に次ぐ得点源となり、ペイントアタックやリバウンドなど、日本が必要とするほとんどのプレーに絡むことが期待される。日本が誇るユーティリティープレーヤーは八村とともに攻守で日本の中心を担い、NBA仕込みのキャプテンシーにも注目が集まる。

金丸晃輔

SG 14 金丸晃輔

Bリーグになって5シーズンの3ポイントシュート成功率が43%を超え、今シーズンはキャリア2番目に高い46.6%の3ポイントシュート成功率を残した、チーム唯一のピュアシューター。長らく代表からは遠ざかっていたが、この1年半で評価を高めて12名のロスター入りを勝ち取った。代表にフィットするためにプレースタイルも修正し、今では金丸が3ポイントシュートを打つセットプレーが組まれるなど信頼を得ている。彼がコートに立つだけで相手はマークを厳しくせざるをえなくなり、周りへの警戒が下がる効果も見込める。今シーズンのBリーグMVPに輝いたその実力をオリンピックで世界に問う。

馬場雄大

SF 18 馬場雄大

日本人離れした身体能力を持つウイングプレーヤー。アメリカ挑戦に続き、この1年はBリーグとは段違いのフィジカルを求められるオーストラリアリーグで揉まれ、持ち味のディフェンス力や速攻でのフィニッシュに磨きがかかった。フランス戦で日本のピンチを救ったスティールからのダンクは馬場の代名詞と言えるプレー。トランジションバスケを目指す日本にとってキープレーヤーとなり得る存在であり、海外組の一角として攻守に奮闘する。引き続き海外でのプレーを希望する彼にとって、オリンピックは自らの実力をアピールするショーケースにもなる。急成長を続ける彼が今回のオリンピックを踏み台にして、さらに大きく飛躍することを願いたい。

ギャビン・エドワーズ

PF 23 ギャビン・エドワーズ

2013年からアイシンシーホース三河(現シーホース三河)でプレーし、2017年に千葉ジェッツへ移籍。日本で8シーズンに渡りプレーする間、昨年1月に帰化申請が認定された。3ポイントシュートも打てる広いシュートレンジと速攻の先頭を走る脚力を兼備した万能ビッグマンで、ライアン・ロシターとの1つしかない帰化選手枠争いを制し、ロスター入りを果たした。206cmの身長は世界で見ればそこまで大きくないが、パワー負けしない強靭なフィジカルで日本のゴール下を守る。世界のスーパーアスリートを相手にエドワーズがインサイドで互角以上の戦いができれば、八村や渡邊の活躍の場も広がり、日本は『1勝』にグッと近付けるはずだ。

田中大貴

PG 24 田中大貴

オフェンス、ディフェンスともにリーグトップクラスのレベルを誇る2ウェイプレーヤー。本来はシューティングガードでプレーしているが、代表ではサイズアップを目的にポイントガードにコンバートされた。ポイントガードは経験がモノを言うポジションだが、バスケIQの高い田中は本職のポイントガードを追い越して先発に定着してオリンピックを迎えることになった。状況判断に優れ、ピック&ロールから味方を生かしつつ自らも得点できるクリエイト能力が最大の持ち味。ラマスヘッドコーチからの信頼も厚く、渡邊とともにダブルキャプテンを任された。求められる役割は多いが、今の田中ならその期待に応えられるはずだ。

シェーファー・アヴィ幸樹

C 32 シェーファー・アヴィ幸樹

日本人離れしたフィジカルを持つ若きセンター。その強靭なフィジカルでスクリーンやリバウンドなど泥臭い仕事を一手に引き受ける。高校2年からバスケを始めただけに伸びしろは無限大。2017年のU19ワールドカップでは八村塁とともにプレーし、短い大会期間中に目に見える成長を遂げていた。今シーズンから本格的に打つようになった3ポイントシュートが決まれば相手のセンターを外におびき出せ、日本が課題に挙げるペイントタッチ数も増えるはず。格上との対戦が続くオリンピック中の急成長にも期待したい。

渡邉飛勇

PF 34 渡邉飛勇

日本で一番大きい207cm106kgと恵まれた体格を持つパワーフォワード。高校2年生まではバレーボール中心の競技生活を送り、バスケットボールに専念してからはまだ数年しか経っていないが、メキメキとスキルも向上。国際強化試合では短い出場時間ながらダンクを叩き込み、ポストアタックを見せるなど積極的な姿勢が目立った。22歳と若く競技歴も短いため、可能性は未知数。将来性を見込まれての選出となったが、代表選手とプレーするこの経験は今後の成長をより加速させるはずだ。

張本天傑

SF 88 張本天傑

スモールフォワードとパワーフォワードの両方をこなす万能性が持ち味で、アグレッシブかつフィジカル負けしないディフェンス力に定評がある。強気なドライブに加え、3ポイントシュートも得意とし『ストレッチ4 』としての存在感を年々高めている。八村や渡邊とポジションが重なることで、これまで代表合宿には呼ばれてもメンバーから外れることが多かったが、攻守の完成度を高めてメンバー入りを果たし、オリンピック前のテストマッチでも重用されている。主力を休ませるという意味でも、彼の『繋ぎ』の役割は非常に重要となってくる。そして、この時間帯に主導権を握ることができれば、それだけ日本の勝利が近づく。

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