三好南穂

3ポイントシュートに当たりが来ず、劣勢を強いられる

女子日本代表はポルトガル代表との国際強化試合『三井不動産カップ2021』の第1戦を迎えた。

FIBAランキング10位の日本にとって、同ランキング48位のポルトガルは言わば格下。それでも、今年2月に行われた試合で、ポルトガルはFIBAランキング6位のベルギーを相手に66-69と善戦している。それだけに侮れない相手だったが、その杞憂が現実となった。

先発は宮崎早織、林咲希、赤穂ひまわり、長岡萌映子、髙田真希の5人。昨年2月以来の国際試合となり、試合勘の欠如からか、3ポイントシュートが11本中1本のみの成功と決まらない。また、190cmのソフィア・シルバ、194cmのマリア・クストゥルコバの高さが気になり、ドライブからのフィニッシュも精度を欠いた。

高さで劣る日本は身体をうまく当ててペイントから押し出すが、タフショットを決められてしまう。生命線である3ポイントシュートが入らず、トランジションも機能せずに第1クォーターは9-17と先行された。

それでも、町田瑠唯を司令塔に、赤穂と奥山理々嘉をウイングに置くラインナップが機能して反撃を開始。赤穂がスピードのミスマッチからドライブを決めれば、町田がピック&ロールでズレを作り、長岡のバスケット・カウントをお膳立て。さらに奥山がトランジションから3ポイントシュートを沈める、得意の形がようやく決まると、直後には赤穂の連続オフェンスリバウンド奪取から、町田が3点プレーとなるバスケット・カウントに繋げて一気に逆転し、26-25で前半を終えた。

後半に入ると、ここまで出番のなかった東藤なな子がファーストプレーで3ポイントシュートを決め、髙田がフリースローで初得点を記録したことで日本のペースになりかけた。しかし、合わせのプレーやランニングプレーなど良い形が出始めるが、フィニッシュが決まらずに突き放せない。本橋菜子が3ポイントシュートを決めて相手に流れは渡さないものの、40-40の同点で最終クォーターを迎えた。

赤穂ひまわり

三好の爆発で本来の姿を取り戻した日本

日本が追いついて以降、1、2ポゼッション差で試合は推移してきたが、土壇場でシューターの三好南穂が違いを生んだ。三好はコートに送り出された直後に3ポイントシュートを決めると、その後も強気に3ポイントシュートを決め続けた。

生命線である3ポイントシュートが決まり始めたことで、日本は攻守ともにギアが上がった。トラップを仕掛けてはターンオーバーを誘発し、球際でも強さを見せる。町田がコート外にダイブしてマイボールにすると、最終的に三好の3ポイントシュートに繋げた。

キャッチ&シュートが持ち味の三好だがオフェンスファウルを誘発し、直後にはドライブで加点と、3ポイントシュートだけではないことを証明。最終クォーターだけで14得点の荒稼ぎを見せた三好の活躍に牽引され、このクォーターを29-7と圧倒した日本が、最終スコア69-47で勝利した。

ケガからの回復が間に合わず、エースの渡嘉敷来夢がメンバーから外れて迎えた初めての国際試合。ロスター入りした16名全員が出場して組み合わせを見極めながらの実戦となったが、苦戦しながらも手にした勝利には価値があるはず。

第2戦が12日の15時、第3戦が13日の15時に行われる。勝敗はもちろんだが、東京オリンピックに向けたサバイバルレースの行方も注目だ。