「バスケの理解度をもっと高めていかないと、国際大会では勝てない」

『FIBA アジアカップ 2025』で、バスケットボール男子日本代表はベスト8決定戦でレバノン代表に73-97で敗れ、早々に大会を後にした。

レバノンは気持ちが強く激しいプレーが特徴の難敵だったが、それでも今大会は、グループフェーズで満身創痍の韓国代表に大敗。準々決勝のニュージーランド戦では、20点の大差をひっくり返されて逆転負けを喫するなど、波に乗った時の爆発力はあるが、大味なプレーも多く脆さもあった。その相手に日本は序盤から主導権を握られて大敗した。グループフェーズではイランにも敗れており、今大会で勝利したのは格下のシリア、グアムのみという現状が、結果だけでなく内容でも今大会が低調なパフォーマンスだったことを示している。

西田優大は、「新しいことにチャレンジし、いろいろなことを準備してきましたが、僕たちの中でうまく消化しきれていない。クリアにできないまま終わってしまった感じです」と不完全燃焼に終わったアジアカップだったと総括する。

個人としても今大会は全4試合でプレータイムの平均が15分以下と、十分なプレータイムが与えられない苦しさを味わった。トム・ホーバス体制では発足当初から代表に選ばれていた西田は、富樫勇樹以外のベテランが不在となった今大会でその豊富な経験もあり主力の一員として期待されていた。しかし、強化合宿の時から3ポイントシュートの波が激しかったことが影響し、出場時間が伸びなかった。

ホーバスヘッドコーチは、西田のオンボールディフェンスを高く評価する発言を繰り返していた。しかし、相手ガード、ウイングのドライブに苦戦したイラン戦や、レバノン戦において西田が出番を増やすことはなかった。

自身のプレーについて西田は、レバノン戦後に「もちろん3ポイントシュートの波はありましたが、今日に関しては別に悪いシュートを打っていたわけではなかったと思います。シュートは安定しませんでしたが、それ以外の部分では全力でプレーしました。ただ、ペイントアタックした時にミスが出てしまいました」と語る。

パリオリンピックが終わり、日本は世代交代を進め始めるなど新たなサイクルに入った。変化が実を結ぶには時間がかかるのは事実だが、西田はそれを言い訳にしてはいけないと続ける。「トムさんの体制になった最初は(『FIBA ワールドカップ 2023 アジア予選』で)中国やオーストラリアにボコボコにされました。新しいチャレンジがうまくいくのに時間がかかるのは仕方ないと言えば、そうかもしれないです。でも一人ひとりが自分の持っているものを全部出し、バスケの理解度をもっと高めていかないと、国際大会では勝てない。そこに対して、もっと責任を持ってプレーしないといけないと感じています」

さらに西田は「新しいルールを取り入れたりしている中で、僕たちにもモヤモヤしているところがありました」と語った。何故、新しい取り組みがチームに浸透しきれず大会を迎えることとなり、今回の早期敗退に繋がったのか。単純に時間が足りない以外にも、何か原因はなかったのか。そこをクリアにしない限り、日本は11月下旬から始まる『FIBA ワールドカップ 2027 アジア予選』でも苦戦は免れない。