20得点を挙げ、逆転劇の立役者に
琉球ゴールデンキングスは、5月23日に行われた千葉ジェッツとのチャンピオンシップセミファイナル第2戦で、最後までもつれる白熱の戦いを84-78で制し、1勝1敗のタイに持ち込んだ。この、負ければシーズン終了となる崖っぷちでチームを牽引したのが岸本隆一だ。
試合最初のポゼッションでレイアップを沈めた岸本は、そこから開始2分半で9得点を挙げ12-0と琉球が先手を取る立役者となった。その後、千葉の反撃にあって第4クォーター終盤まで我慢の時間帯が続くが、残り2分4秒には2点差に迫る3ポイントシュートを沈めてその後の逆転劇へと繋げるなど、20得点の活躍を見せた。
「昨日、負けて課題となったリバウンドを上回れたのが今日の勝因。全員で意識して取りに行った結果が勝利に結びつきました」。こう試合を総括する岸本は、自身のパフォーマンスについて「出だし、自分が行くしかない。仮に連続してシュートを外しても、おそらくずっとアタックしていたと思います」と強気のプレーを貫く覚悟で臨んでいたと明かす。
第1戦の終了後の会見で岸本は、「セミファイナルに残った4チームの中で、自分たちは最もこの短い期間の中でも成長できる。一皮むけた時の強さを秘めている」とチームの伸びしろを信じていた。
実際、この土壇場で琉球は岸本の言葉が正しかったことを証明した。第4クォーター残り4分19秒、大黒柱のジャック・クーリーがファウルアウトした時点で66-72と追い込まれていたが、そこからクーリー不在を皆で補い、18-6と圧倒して逆転勝利を収めた。
岸本はこの勝利で、チームはもっと成長できると手応えを感じている。「今日の勝ちはすごく大きい。すごく苦しみながらですが、今日はコーチの立てたゲームプラン通りにファイトし、それぞれがオフェンス面でステップアップできたので明日に繋がります。より一段と上のレベルに行くため、一皮むける良いきっかけとなるゲームだったと思います」
「どれだけ継続性を持ってやれるかがポイント」
いよいよ今日は運命の第3戦が行われる。琉球にとっては2018-19シーズンに続くセミファイナル第3戦で、その時は王者アルバルク東京に敗れた。「お互い疲労の部分でもギリギリで戦う中、頑張っていてもやられることはあります。あまり過去の試合は見ないですけど、2シーズン前のアルバルク東京と戦った時、特に第3戦ですごくみんな頑張ったにもかかわらずタフショットを連続で決められた場面を鮮明に覚えています」
当時をこう振り返った岸本は、だからこそ決して折れない心で戦い続けると誓う。「もしかしたら、同じ場面が来るかもしれないです。富樫(勇樹)選手は本当にスキルのある選手なので、自分たちが良いディフェンスをしてもそれを超えてくる瞬間はあるかもしれない。ただ、それでもハードにディフェンスをし、リバウンドを拾い続ける。どれだけ継続性を持ってやれるかがポイントだと思います」
また、もう1つ誓っているのは、琉球にとって一番のアドバンテージであるホームゲームで戦える意味を最大限に生かすことだ。「見えない力に頼らないと今日みたいな試合は勝てない。チームメイトを鼓舞するのはもちろんですが、会場の空気を1つにしたいです」
今夜、琉球が3度目の正直を果たしファイナルに進むためにも、岸本はなすべき事を率先して体現していく。
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