八村塁

「3年目、4年目にはさらにハイレベルな選手になる」

ウィザーズは本日行われたホーネッツ戦を104-114で落としたが、キャリアハイに並ぶ30得点を挙げた八村塁の活躍は目を見張るものがあった。

トランジションからの速攻や、持ち味であるシュートタッチを生かしたプルアップを沈め、冷静な判断と力強さで2度のバスケット・カウントを獲得するなど、様々なフィニッシュの仕方で得点を量産した。フィールドゴールの試投数はキャリアハイを更新する25本となり、そのうち12本を成功させた。八村は「少しシュートは落としたけど、最初から最後までアグレッシブに行けた」と、この日のパフォーマンスを振り返った。

2試合前にブラッドリー・ビールが負傷し、昨日のペイサーズ戦では新加入のダニエル・ギャフォードが右足首を捻挫するなど、チームは故障者が続出している。特にスコアリングリーダーであるビールの離脱は痛いが、こうした状況が八村をステップアップさせる糧になっていいる。

「チームからも積極的に行けと言われていますし、今までやってきたことに自信があって、どんどん走っていこうとしています。ブラッドがいないので積極的に行かないといけない」

指揮官のスコット・ブルックスも「塁はどんどん成長している」と引き続き高い評価を与え、ラッセル・ウェストブルックとの連携が向上してきたことを好調の要因に挙げた。「塁とラスのケミストリーが良くなってきている。ラッセルがリバウンドを取って塁が走っていれば、相手ガードにポストアップする形が作れる。ここ5試合そういうプレーが増えてきた」

ブルックスヘッドコーチがそう言うように、リバウンドを取ったウェストブルックのパスを呼び込んだ八村のゴール下が、この試合の先取点となった。また、ブルックスヘッドコーチは八村が持つポテンシャルを理解し、さらなる向上を期待している。

「まだまだレベルアップの余地があり、3年目、4年目にはさらにハイレベルな選手になると思っている。今はガードに対する守り方を学んでいるところで、それができるようになれば、1番から5番まですべての選手を止められるようになる」

オフェンスに特化しているウィザーズには『守備職人』と言われるディフェンスを得意としている選手はいない。そのため、スピードとフィジカル、高さを併せ持つ八村は相手のエースとマッチアップする機会も多く、ディフェンスでの貢献も目立っている。2年目の八村に負担をかけ過ぎているという意見もあるかもしれない。それでも、日本人選手初のドラフト1巡目指名を受けた八村なら、こうした高い期待に応え、素晴らしい成長曲線を描いていくはずだ。