セカンドユニットが優位を作り、盤石の試合運び
天皇杯を終えてB1はシーズン再開。宇都宮ブレックスvs横浜ビー・コルセアーズの第1戦では、横浜の粘りが目立つ中でも宇都宮が自分たちのペースを崩さず、第1クォーター中盤以降は常にリードする展開で77-66の勝利を収めた。
横浜は2週間ぶりの試合で、ディフェンスでかなりの準備をしてきた。ピック&ロールに対するショウディフェンスの精度が高く、2-3のゾーンを織り交ぜることでチャンスを作らせない。宇都宮の強力インサイドに常にプレッシャーを掛け、リバウンドで負けてもセカンドチャンスポイントを簡単には与えなかった。外国籍選手も含めて激しく行くだけでなく我慢すべきところは我慢し、ファウルの数も抑えた。
途中出場の比江島慎と喜多川修平にギャップを突かれ、前半でそれぞれ7点を奪われたのは誤算だったが、戦線復帰したレジナルド・ベクトンがフットワークの良いディフェンスにブロックショットも決める奮闘でチームを盛り立てる。
27-37で迎えた後半、森川正明と須藤昂矢を軸に攻めのスピードを上げた横浜は4点差まで詰め寄る。しかし宇都宮はタイムアウトを取り、先発の5人からメンバー全員を入れ替えてディフェンスを引き締めることで崩れなかった。逆に我慢が利かなくなったのは横浜だ。セカンドユニット中心の時間帯にディフェンスとリバウンドが甘くなって連続でファストブレイクを許してしまう。
宇都宮の選手たちはここが勝負どころと見て、それぞれがギアを上げて横浜を圧倒する。喜多川とLJ・ピークの3ポイントシュートにハイローからジョシュ・スコットのイージーなゴール下と良い形の得点をすべてテーブス海が演出。58-47と再び2桁へとリードを広げた。
47-58で迎えた第4クォーター、横浜はディフェンスから立て直そうと強度を上げるも、結果的に開始2分半でチームファウルが5つになり、このクォーターだけで16本ものフリースローを献上することになった。こうなると挽回するのは難しい。今シーズン限りでの現役引退を昨日発表した竹田謙がベースラインをドライブで割り、ベクトンの3ポイントシュート成功をアシストするなど良いプレーは出るものの単発で、相手のリズムを乱すには至らない。最終スコア77-66で宇都宮が勝利を収めている。
横浜のブレックス対策は一定の効果があったものの、宇都宮はセカンドユニットで差を付けて、一度優位に立つと盤石の安定感を見せた。天皇杯ファイナルでは川崎ブレイブサンダースに敗れたものの、ここで復活を感じさせるパフォーマンスを見せた比江島は、この試合でもベンチから出て積極的にアタックし、10得点を挙げている。「膝の状態も良いですし、試合勘も取り戻してきています。もっともっと上げていきたい」と比江島は言う。B1の勝率トップに立つ宇都宮が、また自信を強める1勝となった。