元チームメートたちは復帰を歓迎「乗り越えられて良かった」
キャリス・ルバートはジェームズ・ハーデンのネッツ移籍に絡んでペイサーズにトレードされた。この時のメディカルチェックで腎臓に小さな腫瘍があることが判明し、彼はその治療で約2カ月間、コートから遠ざかった。不運な出来事ではあるが、このタイミングでの移籍がなければ発見が遅れていたはず。それよりも、5シーズン目を迎えていた愛着あるチームからトレードされた心の傷の方が彼にとっては大きかった。
復帰3試合目が彼にとってペイサーズで初めてのホームゲーム。その相手はネッツだった。試合はハーデンが40得点を挙げる活躍で、終盤に攻守のギアを上げたネッツが124-115で勝利。ルバートは先発出場で34分間プレーし、19得点5アシストとまずまずのプレーを見せたが、劣勢を覆すには至らなかった。
「終盤の勝負どころでリバウンドで負けたのが痛かった。個人的にはネッツが相手で時別な感情があったし、いつも以上のプレーをして勝ちたかったんだけど、チームとしても個人としても成長したと感じている」とルバートは語る。
それでも今の彼は、大病から復帰して試合勘を取り戻している最中。「足はまだ少し重く、波には乗れていない。でも、試合のたびにリズムとコンディションを取り戻している感覚がある。今の僕には、昨日の自分より良くなることがすべて。これから調子を上げていけばいい」と語る。
ルバート自身は古巣との対戦について淡々としていたが、ネッツの元チームメートたちは彼が元気にプレーする姿を見られたことに喜びを隠さなかった。スティーブ・ナッシュは「ウチの誰もがキャリスを愛している。彼が病気だと知って我々は大きなショックを受けたが、それを乗り越えて復帰できたのは本当に良かった」と語る。
2月10日にも両チームは対戦している。この時はネッツのホーム、バークレイズ・センターでの試合で、手術を終えたルバートはチームに帯同していた。アリーナでは彼の貢献を称えるハイライト映像が流され、試合が終わるとルバートを「生涯の友人」と呼ぶカイリー・アービングが真っ先に駆け寄り、他のチームメートたちもそれに続いた。この時はいつ復帰できるか分からなかっただけに、ここで対戦できたことは誰にとっても予想外の喜びだったに違いない。
アービングはこの試合を前にして、ルバートへの思いをこう語っている。「僕も僕の家族もキャリスのことが大好きなんだ。ピストンズとの試合が終わって僕が真っ先にしたのは、ルバートの復帰戦をテレビで見ることだった。彼が無事に復帰できてうれしい」
NBA屈指の強豪へと成長を遂げたネッツにルバートはいない。しかし、多くのケガを乗り越えながら、勝てなかった時期のネッツを支えた彼のチームの貢献は、誰もが覚えている。