リーグ2位の平均118.8得点を記録も、平均失点数では12位に落ち込む
今シーズン開幕前にヤニス・アデトクンボとの延長契約に成功し、優勝に必要な『ラストピース』としてペリカンズからドリュー・ホリデーを獲得したバックスは、 東カンファレンス3位となる22勝14敗で前半戦を終えた。ホリデーが新型コロナウイルスの健康安全プロトコルの対象となり、離脱した期間があったことを考えれば上々の前半戦だ。
バックスはプレーオフで東カンファレンスを勝ち上がるため、エリック・ブレッドソーとドラフト指名権を手放してまでホリデーを獲得。少なくともカンファレンスファイナルに勝ち上がれなければ、マイク・ブーデンホルザー体制が来シーズンも続く可能性は低いだろうが、この決断は間違いではなかった。実際にホリデーが出場した26試合は17勝9敗と大きく勝ち越しており、チームに大きなインパクトを与えている。また、先発に定着した3年目のドンテ・ディビンチェンゾもキャリアイヤーを送っているため、後半戦の活躍が楽しみな存在だ。それでも、バックスにとっての勝負は5月からのプレーオフだ。
2シーズン続けてMVPを受賞したアデトクンボの力だけでNBAファイナルに進出できないのは、ここ2シーズンが証明している。本来ならばエースが不調の時に2番手のクリス・ミドルトンがチームを引っ張らなければいけないものの、彼はプレーオフで本来の調子を発揮できないケースが多かった。そのため1試合20得点が可能で、守備にも優れるホリデーが鍵を握る。
当面の課題は100ポゼッションあたりの平均失点がリーグ12位(110.4)に落ち込んだ守備の立て直しだ。オフェンスはリーグ2位の平均118.8得点を記録しているため、ディフェンスが改善できればより勝ち星を増やすことができる。プレーオフに向けて新たなチームを完成させられるかどうか、ブーデンホルザーの手腕に注目したい。