延長戦の勝負どころで古巣相手に杉浦佑成が奮闘
島根スサノオマジックvsサンロッカーズ渋谷の金曜ナイトゲーム。延長戦までもつれる混戦を99-90で制したのはホームの島根だった。
SR渋谷は2月7日の大阪エヴェッサ戦で負傷したジェームズ・マイケル・マカドゥが復帰するも、プレータイムに制限があるのか多くの時間を『オン1』で戦うことに。対する島根が帰化選手のウィリアムス・ニカも含む『オン3』で高さに劣る分、SR渋谷は平面のバスケットで勝負する。オールコートディフェンスでプレッシャーを与え、島根からターンオーバーを誘発して得点へ繋いでいく。また、ハーフコートオフェンスではチャールズ・ジャクソンの身体を張ったポストプレーや野口大介の3ポイントシュートで得点を重ねていった。
一方の島根はペリン・ビュフォード、リード・トラビスとニカの機動力のあるビッグラインナップがオフェンスを牽引する。高さを生かしてリバウンドを制すると、そこからビュフォードがボールプッシュして、前を走るトラビスにパスを繋ぎ得点を重ねた。ハーフコートでもビュフォードとトラビスのツーメンゲームを起点にオフェンスを展開。ニカもディフェンスの裏を突いて合わせに入り得点を重ねていった。
SR渋谷は最大8点のビハインドを背負うも激しいディフェンスから立て直し、そして島根は最大12点のビハインドをディフェンスリバウンドからのトランジションバスケで立て直した。こうして、どちらも完全には主導権を握ることなくリードチェンジを繰り返し、83-83で延長戦へ突入した。
延長戦に入ってもシーソーゲームは続き、86-86で迎えた残り3分からようやく試合が動き出す。積極的なペイントアタックで島根に流れを引き寄せたのは、初めての古巣対決となった杉浦佑成だ。残り2分半に難しいミドルジャンパーを沈め、残り1分半にはディフェンスリバウンドからのロングパスを受け取り、合わせに入ったビュフォードへパスを繋ぐ。ビュフォードはここで得たフリースローを2本とも沈め、残り1分でリードを4点に広げた。
そして残り42秒、ディフェンスリバウンドを取ったトラビスからボールを受けた杉浦がそのままボールをプッシュし、ビュフォードへ完璧なアリウープのパスを送って混戦に決着をつけた。島根が延長を16-7と圧倒し、最終スコア99-90で接戦をモノにした。
この試合でビュフォードは、ともにシーズンハイの30得点16リバウンドと3アシスト2スティール2ブロックを記録し、勝利の立役者となった。また、島根はリバウンドを58-27と圧倒。ゲームを通して全員でリバウンド争いに絡むことでポゼッションを奪い、その姿勢を延長戦でも貫いたことが勝利に繋がった。