ブロニー・ジェームズ

「父と一緒にプレーすることを目標にしたことはない」

レイカーズがNBAドラフトで指名したルーキーのお披露目会見を行った。1巡目17位で指名されたダルトン・コネクトとともに登場したブロニー・ジェームズは、リラックスした表情と静かな口調で「すべてが現実離れしているように感じる」と語る。「JJとロブが与えてくれたすべてに感謝している。仕事に取り掛かるのが楽しみだ」

55位指名のブロニーがこれほどまでに注目されるのは、『NBAの生きる伝説』レブロン・ジェームズの息子だからだ。この会見にも両親が立ち会っていた。ただ、ここからは彼が自分でキャリアを切り開いていかなければならない。

それでもレイカーズの新たな指揮官となったJJ・レディックは、ロブ・ペリンカGMとともに「私たちはブロニーに何も与えてはいない。彼は自分の努力で手に入れたんだ」と説明し、こう続けた。「選手育成を重視する我々にとってブロニーは最初のお手本になる。彼がプレーしている姿を見れば、基礎的な運動能力やセンスを備えていることが分かる。我々が選手育成プログラムを構築していく中で、彼には素晴らしいNBAプレーヤーへと成長してほしい」

そしてレディックは、2人のルーキーをサマーリーグのカリフォルニア・クラシックとラスベガスでプレーさせると明言し、ブロニーはこう語った。「このレベルでの試合感覚をつかむことが目的になるけど、サマーリーグで素晴らしい選手たちと競い合えることにワクワクするよ。これから起きることに備えるために、この時間を使いたい」

NBAでの挑戦を始めるにあたっての抱負をブロニーはこう語る。「僕は自分の名を上げたい。このリーグに入って、今まで以上に良い選手になりたい。レイカーズには素晴らしい育成システムがあるとロブGMから説明されているから、ただ練習に励み、毎日成長していきたいんだ」

父レブロンはレイカーズと新たな契約を結んで残留するはずで、親子がレイカーズで揃うことになるが、ブロニーは「父と一緒にプレーすることを目標にしたことはないんだ」と話した。ただ、そのことが話題にならないはずがないのも理解している。レブロンの息子であることで大きな注目を浴び、良いことも悪いこともクローズアップされるのが彼の運命だ。「プレッシャーが大きいのは分かっているよ。もういろんなメディアやネット上で目にしているからね」とブロニーは言う。

「僕はこれまでの人生でずっとこの類のことと向き合ってきたから特段の変化はないんだけど、確かにプレッシャーは今まで以上に大きくなっている。でも、僕はそれを乗り越えてみせるよ。正直に言えば、他の人が僕のことをどのように思うか気にせずに日々を過ごすのは難しい。いろんな人がいろんなことを言うからね。でも、僕はただバスケをやりながら自分を保ち、毎日を過ごすんだ」

バスケに集中することが、彼なりのプレッシャーへの対処法だ。目の前にはサマーリーグというチャンスがある。「南カリフォルニア大では多くの出場機会があったわけじゃないから、これが自分の実力を見せる良い機会になる」とブロニーは笑みを浮かべる。

レイカーズに指名され、ロスター契約と背番号9を手に入れたブロニーが、NBAの世界へと足を踏み入れようとしている。