アンダーソンは3年約44億円、メルトンで1年約21億円で契約合意へ

昨シーズン、ウォリアーズはプレーオフ出場を逃した。立て直しを誓った今オフの補強戦線だったが、思うような成果を挙げられていない。まず、ステフィン・カリー、ドレイモンド・グリーンと共に4度のNBA制覇の立役者となったクレイ・トンプソンの引き止めに失敗し、サイン&トレードでマーベリックスへの移籍を許してしまう。

カリー、グリーン、トンプソンのビッグ3解体で1つのサイクルの終焉を迎えたウォリアーズ。トンプソンに関しては彼の要求を満たすオファーを提示しておらず、首脳陣としても離脱は想定内だったと言えるが、トンプソンの穴埋めが思うように進んでいないのは誤算のはずだ。

ウォリアーズにとってベストシナリオは、クリッパーズからFAとなったポール・ジョージの獲得だった。4年のマックス契約を提示し、ジョージ側もウォリアーズ加入を望んでいたと言われているが、クリッパーズとサイン&トレードの交渉が破談に終わったことで実現せず。その結果、ジョージはセブンティシクサーズと契約を結んだ。

今のウォリアーズは、36歳のカリーと2025-26シーズンまで、34歳のグリーンと2026-27シーズンまでの大型契約を結んでいる。少なくともカリーがいる限り、チームは大幅な世代交代に踏み切ることなく、目先の勝ちを追い求めていかざるを得ない。しかし、ここまでチームが契約合意に達したと報じられている新戦力は、前ティンバーウルブズのカイル・アンダーソン(3年約44億円)、前セブンティシクサーズのディアンソニー・メルトン(1年約21億円)。2人とも堅実なプレーが計算できるものの脇役の域を出せない存在であり、中心選手としてチームを引っ張る役割を期待するのは酷だ。

そんな中、『The Athletic』はウォリアーズが前セブンティシクサーズのFA、バディ・ヒールドのサイン&トレードでの獲得を真剣に検討中と報じている。3ポイントシューターとして実績十分のヒールドは、トンプソンやジョージのようなスター選手ではないが、現状の獲得可能な選手たちの中ではチームとの相性を考えると良い選択肢だ。

カリーにプレーオフ戦線にもからまない不遇のシーズンを送らせないために。ウォリアーズ首脳陣は大きな正念場を迎えている。