富山グラウジーズ

ディフェンスが機能し、今シーズン2番目に少ない55失点

横浜ビー・コルセアーズvs富山グラウジーズの水曜ナイトゲーム。リーグ最強のオフェンス力を誇る富山が横浜のダブルチームを手玉に取り内外から得点を重ね、隙のないディフェンスも披露。前半で33点差をつけ、最終スコア96-55の圧勝を収めた。

序盤からアウェーの富山が試合を支配する。横浜の積極的なダブルチームに対し落ち着いてボールを回すことで、オフェンス優位な状況を作り出し、確実に3ポイントシュートを沈めていく。外角に意識が向けば、宇都直輝がカウンターでディフェンスを切り裂き得点し、ジュリアン・マブンガも抜け目なくファウルを誘発し、6本のフリースローを獲得した。

横浜はインサイドの要であるレジナルド・ベクトンが開始4分で個人2つ目のファウルを犯してしまう。スモールラインナップでのゾーンディフェンスでしのごうとするが、どうしてもインサイドのケアに意識を持っていかれ、ディフェンスを振り回されてしまった。個で打開できるロバート・カーターがコンディション調整のため欠場したこともあり、オフェンスではインサイドで起点が作れず外からのシュートばかりとなってしまう。パトリック・アウダの合わせを狙うも、富山のインサイド陣の圧力に屈し、インサイドでの得点が伸び悩んでタフショットから走られる悪循環に陥った。

浜口炎ヘッドコーチが「第1クォーター、特にアグレッシブにディフェンスすることによってリズムがこちらに転がってきた」と語ったように、富山は第1クォーターを29-13と圧倒。そして、その勢いは第2クォーターに入っても止まらなかった。特にインテンシティが落ちず、選手間のコミュニケーションも取れ、ピック&ロールからズレを作らせないディフェンスの良さが光る。簡単にエントリーさせずショットクロックを削り、何度もタフショットを打たせた。その結果、このクォーターの横浜のフィールドゴールを16本中2本の成功(12.5%)に抑えた。

水戸健史が2本の3ポイントシュート成功を沈め、リチャード・ソロモンもインサイドで存在感を発揮するなど、富山はセカンドユニットも力が落ちない。3ポイントシュートを14本中8本成功(57.1%)させ、集中力の高いディフェンスを披露するなど、攻守ともに理想とするバスケを体現した富山が前半を54-21とし、試合を決めた。

横浜を指揮するカイル・ミリングは「見ての通り、パフォーマンスは良くなかった。立ち上がりから相手のやりたいバスケットをやらせてしまい、試合の最後まで自信を持ったままプレーさせてしまった」と振り返えりつつ、「こういう試合はシーズンに一回はあるので忘れよう」と選手には気持ちの切り替えを促した。

富山は今シーズン2番目に少ない55失点での勝利。オフェンス力に目が向きやすいが、このディフェンスをコンスタントに披露できれば、トップ3に浮上するのも時間の問題かもしれない。