シェーファー・アヴィ幸樹

ビッグマンながら7本中4本の3ポイントシュートを成功

シーホース三河は1月5日に行われた川崎ブレイブサンダースとの第2戦に99-86で勝利し、西地区首位の座をキープしている。

スコアが示すように点の取り合いとなったが、この試合でキャリアハイを更新する21得点を挙げ、勝利に大きく貢献したのがシェーファー・アヴィ幸樹だ。試投数、成功数ともに過去最多となる7本中4本の3ポイントシュートを沈め、川崎ディフェンスを攻略する大きな役割を担った。

鈴木貴美一ヘッドコーチも「素晴らしい活躍だった」と称賛した。「ウチに来た時よりも、試合での3ポイントシュート率が上がって、上手くなってきています。ゴール下にこだわらず外に出て、打てといつも言っています。今日は打つチャンスがたくさんあって、それを決めてくれた。金丸(晃輔)には相変わらずプレッシャーをかけてきますし、ダバンテ(ガードナー)にはダブルチームにくる。そこで彼のようにオープンを決めてくれると、相手としては抑えずらいですし、チームとしてはオフェンスがやりやすくなります」

シェーファーが外に開いて確実に3ポイントシュートを沈めたことで、ガードナーや金丸へのマークも甘くなる相乗効果も生まれた。結果的に、抑えどころを絞れなくなった川崎は40分ゲームで今シーズン最多となる99失点で敗れた。

この日のシェーファーは第1クォーターでいきなり10得点を挙げる活躍を見せた。3ポイントシュートが2本連続で決まったことで自身も調子の良さを感じ、キャリアハイを更新しようという思いがあったという。「特に今日みたいに第1クォーターでポンポンとシュートが入って、良いプレーができていたのでキャリアハイを更新したいなと思っていました。毎試合2桁を目標にしていてそこまで意識してないですけど、今日は少なからずありました(笑)」

第3クォーターには、相手のニック・ファジーカスを彷彿とさせるようなターンアラウンドからのフェイダウェイシュートも成功させた。自分の技術を見せつけたいというセルフィッシュな考えからではなく、ショットクロックを計算に入れた冷静なプレーだったところにシェーファーの成長を感じる。

「ポストアップからのバリエーションは個人として練習しています。でも、もっと良いシュートが絶対にあるので、あまりああいうシュートを打つ機会はなかったです。調子が良かったのもありますし、ショットクロックがないのも分かっていたので、ここはやるしかないと思って打ちました」

シェーファー・アヴィ幸樹

「これ以上求めるものはないです(笑)」

日本代表では3ポイントシュートを打つ練習を重ねてきたが、Bリーグで本格的に3ポイントシュートを打ち始めたのは今シーズンからだ。そのため、シューターのイメージがないシェーファーが3ポイントシュートを決めた際はベンチも盛り上がる。この試合で成功率を40%台に乗せ、マグレではないことを証明しているシェーファーだが、仲間のそうしたリアクションを「素直にうれしい」と感じている。

「最近調子が良いですし、自信を持って3ポイントシュートを打てています。特にシェーン(ウィティングトン)とは3ポイントシュートのワークアウトも一緒にやっていて喜んでくれます。3ポイントシュートを打ってこなかったですし、このチームにはすごいシューターがいるので、僕が決めるとみんな喜んでくれます。自分の3ポイントが勢いをつけられるのはうれしいです」

シェーファーは23分の出場で21得点を挙げ、キャリアハイの得点を更新した。だが、第4クォーターのプレータイムはわずか1分39秒に留まり、もう少し伸びていたら30得点も見えたかもしれない。この起用法に関しては、シェーファーに大事な場面を託すまでの信頼がないわけではなく、リバウンドを重視した起用法だったと鈴木コーチは明かした。

「川崎さんは外国籍相手を3人出してきてゴール下がパワフルでした。シェーンのほうがリバウンドが強いので、今日はアヴィのほうがオフェンスは良かったですけど前半にプレータイムを多く与えました。実際にアヴィでフィニッシュしたゲームも何回かありますし、大事な場面でも出れるようになってきています」

シェーファーはリバウンドが課題であることにも触れつつ、こうした起用法についてはすべて納得していると語った。「外のプレーが多かったこともあって、今日は1リバウンドだけでリバウンドは課題です。必要な時に必要な選手を出しているわけで、僕が必要な試合もある。今日はあの場にシェーンが必要だった。毎試合スタートで25分近く出してもらってますし、これ以上求めるものはないです(笑)」

日本人ビッグマンの苦戦が続く中、シェーファーは三河で確固たる地位を確立した。シェーファー自身のスキルも上がり、チーム力も底上げされる良い相乗効果が生まれ、シェーファーの存在感はこれからも増していく。