点差を縮められても、自分たちのバスケを遂行して主導権を渡さない
琉球ゴールデンキングスと大阪エヴェッサの第1戦。最後までチームバスケを貫いた琉球が87-69で勝利した。
ゲーム序盤、琉球はバックコート陣が切り込んでキックアウトし、ジャック・クーリーがディフェンスを引き寄せることでワイドオープンを作り出し、テンポよく得点を重ねていった。司令塔の並里成が高い位置からプレッシャーを与えて中村浩陸からトラベリングを誘発するなど、全員が外へ外へと追いやるディフェンスも見せて先行した。
最初は琉球のディフェンスに圧倒された大阪だが、慣れてくるとそれぞれがオフボールでディフェンスを振り払いシュートチャンスを作っていく。また、ディージェイ・ニュービルとジョシュ・ハレルソンのツーメンゲームで追撃した。
19-15と琉球がリードして迎えた第2クォーター。琉球は攻めのディフェンスで大阪から連続でターンオーバーを誘発。全員が足を動かしコミュニケーションを取ることで、アウトサイドでもインサイドでもスペースを与えなかった。タフショットを打たせては速攻に繋げ、ハーフコートオフェンスでも個人技ではなくチームプレーで得点を重ね、開始4分半で28-15と突き放した。
琉球のディフェンスに圧倒された大阪だったが、ニュービルとブラウンをコートに戻したことで流れが変わった。2人を攻撃の起点とすることで人とボールが動き始める。また、彼らがディフェンスを引き寄せることで橋本拓哉にスペースが生まれ、得意の3ポイントシュートやドライブが決まり点差縮めた。
後半に入り、4点差まで迫られた琉球だったが、クーリーが1対2と不利な状況ながらもリバウンドで競り勝ち、バスケット・カウントをもぎ取って主導権を渡さない。さらに船生誠也の連続スティールで勢いに乗った。
その後、ボールをしっかり回し自分たちのリズムでゲームを遂行した琉球は、シュートチャンスがありながらもエクストラパスを供給し、誰に偏ることなく全員で得点を重ねた。ディフェンスの強度を最後まで保ち速攻で加点するなど、結果的に地力の差を見せつけた。
「アグレッシブに仕掛けるというメンタリティーで戦いました」
琉球はメンバーチェンジを繰り返すことで、常に強度が高いディフェンスを維持。特にこの試合ではセカンドユニットの船生が攻めのディフェンスでチームを鼓舞した。ちょっとでも緩いパスがあればすかさずスティールに飛び込み、相手がファンブルした隙も見逃さずにマイボールとした。リバウンド争いにも絡み、スタッツには残らないプレーでチームを支えた。
大阪に流れを渡さなかったセカンドユニットの活躍は大きく、ティリは3ポイントシュート7本中5本成功を含む21得点を記録。ディフェンスでチームに勢いをもたらした船生は7得点4リバウンド4アシスト、そして6スティールを記録した。セカンドチャンスポイントで15-8と上回り、ファストブレイクでも16-5と圧倒するなど、まさに堅守速攻で勝利した。
勝利した琉球の藤田弘輝ヘッドコーチは、こうコメントした。「大阪がアグレッシブに向かってくると思ったので、僕たちはチャレンジ精神を持って受け身になるのではなく、アグレッシブに仕掛けるというメンタリティーで戦いました。大崩れすることなく、選手たちがエクスキューションしてくれて良かったです」