當山修梧&砂川流勇

福岡第一の主力には、3人の沖縄出身選手がいる。ハーパージャン・ローレンス・ジュニア、當山修梧と砂川流勇、すべてコザ中の同級生だ。昨年のウインターカップのベンチ入りメンバーに入ったのはハーパーのみ。當山と砂川はスタンドからチームに声援を送る立場だった。それでも、厳しいチーム練習をこなすのはもちろん、それぞれ個人の努力も欠かさなかった結果、3年生になって主力に引き上げられると、県予選の福岡大学附属大濠でそれぞれ実力を発揮して勝利に貢献。新型コロナウイルスの影響で沖縄に帰っていた時期も、自転車で40㎞の道のりを走って練習していたという彼らの努力は、ウインターカップの舞台で結実する。

ハーパーを含めた3人がコザ中学校からの親友

──まずは自己紹介をお願いしたいのと、お互いに相手をどう思っているのかを教えてください。

砂川 コザ中学校出身の砂川流勇です。1、2年ではあまり試合に絡むことができなかったんですけど、3年生になって試合に出るようになりました。得意なプレーは3ポイントシュートです。

當山 流勇は優しくて面白いです。直してほしいところはあまりないですけど、部屋はもうちょっと片付けた方がいいです。僕はコザ中学校出身の當山修梧です。得意なプレーはジャンプシュート、ミドルシュートで、シュートレンジが結構広いです。アンダー14から18まで、ジュニアオールスターも1年生から入っています。

砂川 人前では控え目ですけど、僕らの中だと暴れます。あと人の部屋の食べ物をダメって言っても勝手に食べちゃいます。

當山 流勇に直してほしいところ、ありました。僕のことをめちゃくちゃイジるので、そこは直してほしいです。

砂川 イジるのめっちゃ楽しいので、そこを直す予定はありません(笑)。

當山 僕が何もしていなくても、めちゃくちゃイジってくるんですよね。本人はめっちゃうれしそうなんですけど。こういうキャラだと認めているので、もう気にしないようにしています。

──さすが中学から一緒だけあって仲が良いですね。プレーの面ではお互いにどういう評価をしていますか?

砂川 ジュニアとかのマークが厳しくなって攻められない時、ここぞという時に決めてくれるのが修梧です。ガードですけど何でもできて、センターに付いても守れるし、相手のエースにしっかりディフェンスができます。オフェンスでもドリブルは上手いしシュートもミドルレンジの確率はチームで一番高いかもしれません。最近は特にチームが苦しい時に3ポイントシュートを決めてくれるので、本当に頼りになります。

當山 流勇はチームが乗っている時でも苦しい時でも変わらずに3ポイントシュートを決めてくれる選手です。僕や(松本)宗志、ジュニアが決められない時に、流れを変えるショットを決めてくれるので、絶対的な信頼でパスを出せます。

砂川流勇

砂川流勇「沖縄でもほぼ毎日、外でバスケをやっていました」

──ハーパー選手も含めて3人揃って福岡第一にやって来ました。どんな思いで入学を決めたのですか?

當山 全中の準決勝で負けてしまって、その悔しさは高校で全国制覇することで晴らそうと3人で目標を立てました。だからこそ3人揃って福岡第一に来たし、3人とも活躍できるように頑張ってきました。

砂川 僕は2年間で大きな大会には出れなくて、修梧とジュニアが活躍しているのを見ていたんですけど、3年生になって自分も一緒に出たら活躍して優勝できるように努力してきました。そのおかげで3ポイントシュートには自信が持てるようになりました。県予選の大濠戦でも決めることができたんですけど、あれはマークの厳しいジュニアが無理に自分で攻めずにパスを出してくれたからです。

當山 僕は1年から試合に出させてもらっていたんですけど、2年生になってもっと活躍したいと思っていたところで膝のケガで1年間プレーできなくなり、悔しい思いをしました。ヘコんだし、半分あきらめた気持ちにもなったんですけど、それでもコザ中の2人が頑張っている姿を見て、自分も頑張らなきゃと努力して、今こうして試合で活躍できるのはすごくうれしいです。

砂川 修梧はケガの期間が長くて、一時期はバスケをあきらめちゃうんじゃないかと思う時期もあったんですけど、僕がご飯に誘って励ましたり、先生からも声を掛けてもらって立ち直りました。それから朝練では僕らより早く来てシューティングをしたり、ケガをしていてもできる範囲で夜遅くまで筋トレしたり、すごく頑張っていました。それが今の修梧の力になっていると思います。

──沖縄から福岡にやって来て、3年間頑張れたのは仲間が一緒だったからというのが大きいですか?

當山 それもあるんですけど、もともと宗志は中学校の時から知り合いでした。アンダーカテゴリーに入る前の選考会で初めて宗志に会って、気が合ったので連絡先を交換して、ジュニアオールスターの会場やアンダーの合宿で東京に行った時もずっと一緒で仲良くなったんです。高校選びの時にもお互いに情報交換して、「お前が福岡第一行くなら俺も行くわ、一緒に頑張ろう」という話をしたのは結構鮮明に覚えています。

砂川 僕らはいつも一緒にいて、イジりすぎると修梧がキレたりするんですけど、ガチのケンカは一回もしたことがないです。修梧がキレたら、それをまた僕とジュニアでイジって、「怒ってないし」みたいな。そんな感じでひたすらやっています。

當山 面倒くさいですよね? 最初は本当に面倒くさかったんですけど、もう慣れました(笑)。

──コロナの時期は沖縄に帰っていたんですよね。その時期も一緒に過ごしていましたか?

砂川 そうですね、ほぼ毎日会って、外でバスケをやっていました。でも、近場のリングは全部取られていて、田舎まで行かないと思い切りできないので、往復で20キロぐらいの距離をチャりをこいで毎日行っていました。

──それだけ一緒にいる時間が長いと、コート上でも阿吽の呼吸でプレーが合ったりしますか?

當山 ありますね。感覚でやってもだいたい合うというか。3人で一緒に出ている時間帯は超楽しいです。

當山修梧

當山修梧「ディフェンスを頑張って3連覇します」

──福岡第一に入学した時の自分と比較すると、この3年間で成長できたと思う部分はどこですか?

砂川 僕は努力することがあまり好きじゃなくて、練習以外でバスケをすることがなかったんです。でもここに来て個人練習だったり、自分に足りない部分を朝練でやったり、その努力をし続ける習慣がこの3年間で身に着いたと思います。

當山 僕はケガをして復帰した時に、みんなよりも遅れているので、追い付くために個人練習などをすごく頑張るようになりました。コザ中の時は練習をよくサボっていて、1週間休んだりすることもあったんですけど、第一の日々のキツい練習で忍耐力がついたと思います。

──ウインターカップ開幕が近づいてきました。組み合わせ抽選の結果を見て、どのように思いましたか?

砂川 一番の壁はベスト8で明成と当たるところだと個人的には思っています。自分たちはサイズが小さくて、明成は自分たちとは違って平均身長が高いですけど、そこは第一の持ち味の速さで勝っていこうと思います。

──ウインターカップに向けての意気込みを聞かせてください。

砂川 個人的にはチームの流れが悪い時でも乗っている時でも3ポイントシュートを決めて貢献したいです。チームとしては先輩たちが2連覇というを達成しているので、自分たちの持ち味である攻守速攻を武器に3連覇を目指して頑張りたいです。また、今のコザ中の人だったり自分の地元の人だったり、いろんな人が見てくれているので3人でプレーしているところを見てほしいです。

當山 個人的にウインターカップでは自分の持ち味であるジャンプシュートをみんなに見てほしいと思います。あとはディフェンスを頑張って3連覇します。