オマール・ジャマレディン

休養期間わずか2〜3日でチームに合流

今シーズンからBリーグはアジア枠の対象地域にレバノンを追加し、現在B13名、B22名のレバノン出身選手のBリーグ入りが明らかになっている。特にB1に加入する3名はいずれも8月に開催された『FIBAアジアカップ2025』に出場していた代表選手たちだ。

川崎ブレイブサンダースのオマール・ジャマレディンはその一人。25歳の若手ウイングはアジアカップで、フィジカルの強さを生かした迫力満点のドライブ、タフなディフェンスが光っていた。そして川崎での初陣となった、830日、31日のプレシーズンゲームでもこの持ち味を発揮していた。

昨シーズンの川崎は、外国籍ビッグマン以外のガード、ウイング陣によるペイントタッチに欠けていた部分があった。ジャマレディンはこの課題解消の特効薬となれる選手であり、アウトサイドシュートに優れたビッグマンたちのシュートチャンスを作り出す存在として楽しみだ。

30日の越谷アルファーズ戦後、ジャマレディンは「まだチーム練習が始まってから4〜5日くらいしか経っていないですが、一緒にプレーするのは楽しいです」と語り、4,000人を超える観客に「プレシーズンでこんなにお客さんがいるとは想像していなかったです。たくさんのサポートを受け、本当に素晴らしい雰囲気でした」と感銘を受けていた。

そして自身の強みについて、「ポイントガードとしてボールハンドリングができます。ウイングもできますし、3Dにスラッシャーと、チームの求めることをやっていきたいです」と、さまざまな役割をこなせる点にあると言った。

川崎のネノ・ギンズブルグヘッドコーチはレバノンの隣国イスラエルの出身であり、レバノンバスケ界についてもよく知っている。ギンズブルグヘッドコーチはジャマレディンについて次のように語っている。

「レバノンリーグでの彼のプレーを見ています。レバノンリーグとBリーグはちょっと違っていて、ガードに外国籍選手が多いのが特徴です。外国籍が得点を多くとりますが、川崎ではオマールもしっかりと得点にからんでほしい。彼はポテンシャルがあるので、そこにもすごく期待しています」

オマール・ジャマレディン

「これからどんどん良くなっていきます」

レバノンリーグはシーズンが終わるのが7月中旬と遅い。ジャマレディンは8月のアジアカップにも出場し、大会終了後「2日か3日のオフで日本に来ました」と話した。

心身ともに十分にリフレッシュ期間を取るため、1週間以上のオフをとって当然という状況の中で早期来日を決断したのは、川崎の一員としてシーズン開幕からチームに貢献したいという強い思いがあったからだ。

「チームに僕のことを早く知ってもらうこと、僕もチームのことを知ることが大切だからです。チームメートと一緒にプレーすることで、お互いにどうすれば良いのか学べます。だから可能な限り早くチームに合流したかったです」

また、自身を含めて、レバノン出身選手たちがBリーグでプレーする意義を次のように考えている。「僕たちにとって素晴らしい機会です。レバノンリーグとBリーグはとても違っています。日本の皆さんに、レバノンの選手たちがどんなプレーをするのか見せることができる。そして僕たちも日本から学ぶことができます。お互いにとって良いことだと思います」

レバノンはアジアカップで日本に圧勝したが、ジャマレディンは「レバノンの力を示すことはできましたが、僕たちはチームワーク、アグレッシブさ、フィジカルな部分など、Bリーグから多くの学ぶべきことはあります」と謙虚な姿勢だ。

最後にジャマレディンは川崎ファンにメッセージを送ってくれた。「皆さんの姿を見られてハッピーでした。これらもホームゲームで会えることが楽しみですし、皆さんに誇りに思ってもらえるプレーを見せていきたいです。今のコンディションは50%くらいです。今は始まったばかりで、これからどんどん良くなっていきます」