起用法にはこだわらない姿勢を貫く
ヒートのタイラー・ヒーローは、昨年のドラフト全体13位で指名されてからの約1年半、バスケットボール選手として濃厚な時間を過ごした。
ルーキーイヤーの序盤から実力を認められてヒートのローテーションに入り、新型コロナウイルスによる中断を経て再開されたシーズンでは主力の一人としてプレーオフでも大活躍。ゴラン・ドラギッチが負傷離脱してからは先発に抜擢され、1年目でNBAファイナルを経験した。
レイカーズとのファイナルが終わったばかりだが、数週間後には2年目のシーズンが開幕する。12月2日の練習後にメディアの取材に応じた彼は、2年目のシーズンについて「感覚的には3年目か4年目」とコメント。「ドラフトで指名されてから随分時間がたった気がする。もう2年目に向けた準備はできているよ。『バブル』の時よりも成長できていると思う」
そう語るヒーローは、今シーズンの目標に先発定着を掲げている。「どの選手も一緒だろうけれど、先発出場が目標。できるだけチームの勝利に影響を与えたい。これからも成長して、先発定着のために必要なことをやっていくよ」
先発出場はあくまでも個人の目標であり、彼はチームを優先する選手だ。仮にベンチスタートになっても、やれることをやるという姿勢は変わらないと話す。「チームに求められる役割をこなす。昨シーズンはベンチからの起用が上手くハマった。コーチから与えられる役割をこなすだけ」
「試合に向けた準備をしている時は、先発出場するつもりでやっている。もしベンチからの出場になっても、与えられた役割がある。先発出場できるのは5人だけだから、アジャストが必要ならそうしないといけない。どんな役割でも自分は受け入れる。役割に関係なく、僕はチャンスを生かせると思っているからね。コーチ(エリック・スポールストラ)なら、僕が機能する役割を与えてくれる」
来年の1月に21歳の誕生日を迎えるとは思えないほど落ち着いているヒーローが、この姿勢を保つことができれば『2年目のジンクス』は当てはまらないだろう。