「この件に関しては今後検討していく」
NBAコミッショナーのアダム・シルバーが来シーズンの開幕時期について言及した。現時点で最も可能性が高いのが1月に開幕する案だが、開幕が遅れた場合、来夏の東京オリンピックにトップ選手の参加は難しくなりそうだ。
『CITIZEN by CNN』に出演したシルバーは「私は1月に入ってからの方がいいと考えてきた。目標は通常のシーズン、つまり82試合のシーズンとプレーオフを行うことだ。さらに、ホームアリーナでファンの前で試合をすることが目標だが、まだ検討すべきことはたくさんある」と語った。
NBAのシーズンは約半年間のレギュラシーズンと2カ月間のポストシーズンで構成される。仮に来シーズンが1月から始まると、レギュラシーズンが終わるのは6月か7月、プレーオフは8月か9月まで続くことになる。1年間延期された東京オリンピックは7月23日から8月8日まで開催される。オリンピック期間中、NBAの選手たちはレギュラシーズン終盤、もしくはプレーオフ序盤を戦っていることとなり、日程が重複してしまう。ポストシーズンを戦う選手がオリンピックを選ぶとは考えにくく、レギュラシーズンを終えたばかりの選手が疲労などを考慮し出場を辞退することも考えられる。
「アメリカには素晴らしい選手がたくさんいるが、NBA選手がオリンピックに出場せず、他の選手が出場しているというシナリオになるかもしれない。もちろん、他国の代表としてオリンピックに参加している選手も多い。この件に関しては今後検討していく」
NBAの来シーズンのスケジュールが正式に決定するまでは、オリンピックの状況も不透明なままだ。NBAからはアメリカ代表として12人が選出される他、他国の代表としても多数の選手が選出される。ホスト国の日本やアメリカ、ナイジェリア、スペイン、フランスなどがすでに参加資格を得ているが、ヤニス・アデトクンボの出身国ギリシャやニコラ・ヨキッチの出身国セルビアは来年6月に開催される最終予選を戦うことになる。
オリンピックに出場するのは選手だけではない。スパーズのグレッグ・ポポビッチ、ウォリアーズのスティーブ・カー、ホークスのロイド・ピアース、ラプターズのニック・ナースといったNBAのヘッドコーチも、代表コーチまたはアシスタントコーチとしてオリンピック参加を予定している。
NBAの来シーズンと東京オリンピックの競合についてシルバーは「現状は非常に特殊で、前例のない状況だ。オリンピックにとっても、我々にとってもそうだと思う。この2つの競合する事案を組み合わせ、調整する方法を見つけなければならない」とコメントし、早期解決に向け努力するとの姿勢を見せた。