カーターの影響で試合前の懸垂ルーティンを始める
昨シーズン終了後に引退したドウェイン・ウェイドは、現役時代の試合前ルーティンとしてリングを使った懸垂を取り入れていた。先日『NBA on TNT』で引退したばかりのビンス・カーターと対談したウェイドは、そのルーティンを始めたきっかけがカーターだったことを本人に伝え、感謝の気持ちを語った。
ウェイドによれば、マーケット大学に在籍した2000-01シーズンにカーターの試合前ルーティンを見て感化されたという。「あれは2000-01シーズンだった。マーケット大時代のことで、僕は当時レッドシャツ(基準の学業成績を満たせない場合や負傷などの理由により、練習には参加できるが試合登録されない立場の選手)で試合に出られなかった。遠征に出た時、バックスとラプターズの試合があって、僕は試合チケットを持っていなかったけど、ブラッドリー・センターで試合をした時にいた警備員が会場に入れてくれたらいいなと思って会場に向かった。そうしたら、顔見知りの警備員が僕を入れてくれたんだ」
「試合開始時間よりもだいぶ早く会場に行った理由は、有名だったビンス・カーターの試合前ワークアウトを見たかったから。会場ではビンスが試合前にダンクショーを披露していた。まるでダンクコンテストかと思うぐらいのすごいダンクをね」
「ビンスの試合前ルーティンで僕が特に気に入ったのが、ネットをつかんでの懸垂だった。それでNBAでプレーするようになってから、僕もリングでの懸垂を始めた。それもこれも若かったあの時に、たまたま会場に入れてもらえて、とんでもない光景を見たおかげだ」
「だからビンスに御礼を言いたい。カナダだけではなくて、世界中の各世代の選手に影響を与えてくれて本当に感謝している。あなたはGOAT(史上最高の意)の一人。ありがとう」
カーターからウェイドへと受け継がれた試合前ルーティンは、2人の対談を聞いた次世代に受け継がれていくのだろう。新型コロナウイルスの影響によりあるべき形での引退がかなわなかったカーターだが、その影響力は絶大だ。