栃木ブレックスの遠藤祐亮、守から攻への原点回帰で見えた『二刀流』の完成形

2018/02/21
Bリーグ&国内
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文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

「オフェンスにリズムを与えるディフェンス」

栃木ブレックスは昨日の島根スサノオマジック戦に勝利し、同地区4位のサンロッカーズ渋谷とのゲーム差を1とし、ついにその背中をとらえた。

島根との第1戦でも、失点を61点に抑え自慢のディフェンス力を示した。だが第2戦ではその上を行く45失点と、今シーズンの最少失点を更新した会心の勝利だった。この堅守の核となったのが遠藤祐亮だ。フィジカルで当たり負けせず、軽快なフットワークでドライブを許さない。そしてガード陣への攻めるようなディフェンスで指揮系統を乱し、島根のオフェンスを機能不全に陥れた。

「誰がボールを運んだとしても、みんな前からボールプレッシャーをかけて、ガードを疲れさせることを5人全員でやれました。自分たちがやりたいディフェンスで、さらにオフェンスにリズムを与えるようなディフェンスができたのは本当に良かった」と遠藤も満足気に話す。

「オフェンスにリズムを与える」と遠藤が言ったように、相手のターンオーバーから27点を獲得した。『攻撃は最大の防御』ならぬ、『防御は最大の攻撃』を体現した。

第2戦では最後まで集中力が途切れることなく戦い抜いた。だが第1戦では前半に大量リードを得たこともあり、後半のスコアでは島根に上回られている。「単純なことが全然できてなくて、後半の得点では相手に負けてしまった。できるスキルはあるのに昨日はやっていなかったのが昨日の反省点」と遠藤は言う。

その反省があったからこそ、昨日の40分間を通したハイパフォーマンスがある。そして、「自分たちの気持ちの切り替えでできたことなので、毎試合40分間通してやらなきゃいけない」と、勝って兜の緒を締めた。

「自分はディフェンスから頑張らなきゃいけない」

遠藤は昨日の試合のヒーローに選ばれた。遠藤自身も「自分が一番点を取っていたので」とチームハイの13得点を挙げた自分が選ばれるのではと感じていたという。

優勝した昨シーズンの主力メンバーの多くが去ったことで、今シーズンの遠藤には得点面でさらなる期待がかかった。2桁得点を記録することも増えたが、5得点以下という試合もあり、安定感に欠けた。そればかりか初代最優秀守備選手賞を受賞した最大の武器であるディフェンスも、どこか精彩を欠いていたように映る。

「前半戦はどっちつかずというか、ディフェンスも良くないし、オフェンスでもそんなに得点をとるわけでもないっていうのが続いていました。自分の中でリズム良くバスケできてないなというのはありました」と遠藤も自分の中に生じる不協和音を感じていた。

だが、昨日の試合では生命線であるディフェンスが素晴らしく、そこからリズムをつかんだ。同点に追いつかれた場面で得点を決めるなどスタッツ以上の存在感を示し、遠藤が目指している『二刀流』としての姿を見せた。

「ディフェンスからっていうのを考えるようになってから、オフェンスでも気持ちが楽にできるようになった。自分はディフェンスから頑張らなきゃいけない。それは前半戦で学べたことです」

現在チームは21勝17敗で東地区5位。チャンピオンシップ出場にはもう一つ順位を上げる必要がある。リーグは代表戦のため、1週間の中断期間を迎える。これから始まる熾烈なチャンピオンシップ争いを前に、遠藤が原点回帰を果たしたことは、栃木にとって何より大きな収穫だ。