指揮官もデュラントもルーキーの働きを称賛
ウォリアーズとキャバリアーズの対戦は、もはやすっかりクリスマスの風物詩となった。毎試合が極上のエンタテインメントで飽きることはなくても、対戦カードに新鮮味はなくなっている。だが、まっさらな状態でこの試合に臨んだ選手がいた。ウォリアーズのジョーダン・ベルだ。
22歳のルーキーにとって、キャブズとの対戦はこれが初めて。12月11日のトレイルブレイザーズからスタメンに据えられているベルは7試合連続となる先発出場、そして最終クォーターの勝負どころにもコートに立った。
残り4分20秒、90-86でリードした場面で投入され、試合終了までプレー。ドレイモンド・グリーンのアシストを受けてダンクを決めているが、それより大きいのは同点で迎えた残り1分30秒、味方のシュートが外れたオフェンスリバウンドを押さえたことだ。
奪われたら相手の速攻につながるリバウンドをベルが押さえて生まれたセカンドチャンス、クレイ・トンプソンが決勝点となる3ポイントシュートを決めた。スタッツだけを見れば26分のプレータイムで8得点6リバウンドと平凡だが、指揮官のスティーブ・カーは「試合の中で最も価値のあるリバウンドを彼が取ってくれた。あれが試合を決めた」と、その働きを絶賛した。
兄貴分のグリーンがベルを可愛がっているのは周知の事実だが、他のチームメートも称賛を惜しまない。ケビン・デュラントは言う。「ポゼッションごとに工夫して修正している。ルーキーには稀なことで、失敗もするけど素晴らしい仕事もやってのける」
肩を痛めてベルに出場機会を譲っているザザ・パチューリアが次のジャズ戦から復帰の見込み。ただ、その間を見事につないだベルは評価を上げ、スタメンから外れるにしてもプレータイムはこれまでより長くなるはずだ。ウォリアーズのような完成されたチームでルーキーが活躍するのは稀だ。だがベルはそれを実現している。
経験を積み、場慣れすることで、ベルのパフォーマンスはもっと上がるはず。「あこがれの存在だった」と言うレブロン・ジェームズとの初のマッチアップに勝利したことは、彼にとって最高の経験になったに違いない。