WCプレビューvol.23岐阜女子(岐阜)石坂ひなた&木下七笑「インターハイと国体に優勝したことは忘れてウインターに」

2017/12/19
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取材・文=鈴木健一郎、写真=バスケット・カウント編集部

今年の岐阜女子はウインターカップと国体で優勝し、『3冠』を懸けてウインターカップに臨む。キャプテンの石坂ひなた、そして2年生ながらスタメンに抜擢された木下七笑に、ウインターカップに向けた意気込みを聞いた。

[INDEX]ウインターカップ2017プレビュー 出場校インタビュー

「自分でいいのか」の葛藤を乗り越えて

──ここまで大会で結果は出ていますが、苦労もあったと思います。新チームに切り替わってここまで、一番大変だったのは何ですか?

石坂 私はキャプテンになったので、どうやってチームをまとめていけばいいのか、そもそも本当に自分がキャプテンでいいのか考えることが多かったです。先生にも毎日怒られて、どうしたらいいのか分からなくて嫌になった時がありました。その時は、キャプテンだからチームの中で一番できていないといけないのに自分のプレーもあまりうまく行かなくて。先生に怒られても「そんなにすぐできるわけないのに」と思ってしまい、大変でした。私はディフェンスがあまり得意じゃないのですが、ディフェンスのチームなのでその練習をすごくするんです。そこで簡単に抜かれてしまったり、ファウルしたりとか。そういうのがたくさんありました。

木下 私は新チームになってすぐ先発で試合に出させてもらえるようになりました。私でいいのかな、と思いながらも最初はすごくうれしかったです。やっぱり試合に出れるのはうれしいので。でも、試合に出ているのに点が取れないし、最初の時期はあまりディフェンスもできなかったです。それで「他の選手のほうがうまいのに、なぜ自分がスタートなのかな」と悩む時期がありました。ディフェンス練習の時は絶対に自分が止めるという気持ちで毎回やって上達したと思うのですが、オフェンスはいつも0点ばかりで本当に悔しくて。それからはたくさん練習して、今もまだまだですが、自分で点を取りに行くことはできるようになったかなと思います。

──「自分がスタートでいいのかな?」という気持ちはもうないですか。

木下 今はもうないです。ディフェンスは結構できるようになったと思います。チューブとかのトレーニングをかなりやって、脚力がついたのが大きいと思っています。

石坂 練習では私が一対一を結構やるんですけど、攻めにくいです。ちょっと甘いところにボールを置くと触られます。相手チームだったら嫌な選手です。去年はあまりマッチアップしていないので比較できませんが、でも脚力は実際にすごくついたと思いますし、スティールも増えました。ジャンプ力もすごいです。ドライブからダブルクラッチする時に、すごく跳んでるんです。

──すごく跳んでダブルクラッチって、オフェンスも相当じゃないですか。

木下 いえ、まだまだ全然です(笑)。

石坂 前は良い動きをしても最後のシュートを外したりしていたんですけど、今はすごく跳べるし、身体がブレないなと思って見ています。ファウルされてもシュートを決める場面が増えてきました。

岐阜女子は「ディフェンスのチーム、我慢のチーム」

──インターハイで勝てた要因を一つだけ挙げるとしたら何ですか?

木下 我慢!

石坂 我慢ですね。相手はファウルが多かったけど、私たちはファウルしなかったです。

──ライバルの桜花学園に対してはどんな意識を持っていますか?

石坂 絶対に上がってくるだろうな、とは思っています。もう何回もやりすぎてて、相手の特徴やプレーもだいたい分かっています。多分お互いにそうなので、もうバレてるだろうな、という感じです。

木下 確実にバレてますよね。

──桜花学園に限らず、ライバル意識を持っている選手とか、あこがれている選手はいますか?

石坂 私はそんなに意識してないです。

木下 藤永真悠子選手(開志国際)です。インターハイでもマッチアップさせてもらったのですが、すごいテクニックがあってあこがれました。うまい選手はたくさんいますけど、藤永選手は私がマッチアップした中で一番すごかったです。

──シーズン初めの目標が『3冠』だったと思いますが、あと一つのところまで来ました。ウインターカップに向けてどんな準備をしているんですか?

石坂 ここから急激にビューンと伸びることはないと思うので、自分たちが経験してきたことをウインターカップにつなげたいと思っています。できなかったことを改善して、ウインターカップに向けて自信をつけるために一日一日をしっかり練習していきたいと、チームとして意識しています。

木下 無駄のないように一つひとつの練習に意味を持ってやっています。ココさんが言ったように急激に伸びることはないかもしれませんが、細かい部分は大切にしていきたいです。今までやってきたことを出すだけだと思っています。

「一戦一戦やっていけば大丈夫だと思っています」

──ウインターカップが近づいてきましたが、チームの出来に自信はありますか?

石坂 あります。

木下 100%、いや120%です。

──上ばかり見ていると足元をすくわれます。そういう脆さは今のチームにはありませんか?

石坂 1試合1試合をしっかり準備して戦った結果としてインターハイで優勝できたので、みんな上だけ見ているということはないと思います。一戦一戦やっていけば大丈夫だと思っています。

──バイ・クンバ・ディヤサンという大エースがいます。彼女はどんな存在ですか?

石坂 普段は結構ふざけてます。私がふざけて絡みに行くので。1年生の時は先輩とばかりしゃべっていたのですが、言葉を覚えていくうちに自分からすごく話してくれるようになりました。ハディ(ダフェ)はまだ片言ですけど、クンバはもう日本人と変わらないぐらいしゃべれるし聞き取れます。

木下 日本語はすごい上手ですよ。

石坂 練習中に先生から言われて伝わってないなと感じたことは、その時だったり寮に帰ってから説明するようにしていました。1年生から試合に出ていて、すごく期待されている分、先生から怒られて落ち込んでいる時もあったので、そういう時は話を聞いてあげて気持ちの部分で支えられたらなと思ってやってきました。

木下 クンバさんはすごく負けず嫌いです。バスケじゃなく勉強もそうなんです。すごくいい人だし、日本人みたいです。

──では最後に、ウインターカップに向けての意気込みをお願いします。

石坂 最後の大会なので、インターハイと国体に優勝したことは忘れて、しっかりウィンターカップを取れるように、残された期間でしっかり練習して、自分の力を発揮できるように。そして支えてくださってる方々にしっかり恩返しできるようにしたいです。

木下 自分は2年生でスタートとして出させてもらっているので、出ていない3年生の分も絶対にやらないといけないです。インターハイと国体では何もできなかったので、ウインターカップはチームのためにもっと自分が点を取ったりディフェンスで活躍して、支えてもらっているたくさんの人たちを絶対に喜ばせたいです。去年の3年生は負けてしまって、みんな悔しい思いをしました。今の3年生には悲しい思いはさせたくないです。3年生のためにも絶対に優勝します。