文・写真=丸山素行

激戦を制し4年連続で決勝の舞台へ駒を進めた筑波大

大学日本一を決めるインカレは、今日14時から青学記念館で決勝が行われる。

昨日は準決勝が行われ、4連覇を目指す筑波大が関東大学リーグを制した拓殖大と対戦した。序盤からシーソーゲームが続き、53-50とわずかに筑波大がリードして迎えた最終クォーターもリードチェンジを繰り返す。残り33秒でも70-70の同点と先の読めない展開となった。

ここで勝負を分けたのは、5ファウルで退場したキャプテン青木保憲に代わりコートに立った1年生ポイントガードの菅原暉だった。エース杉浦佑成にマークが集中した瞬間を見逃さず果敢にリングにアタックし、フローター気味に放ったシュートを決めて、残り8秒で72-70と筑波大が勝ち越した。

拓殖大はタイムアウトを取り、スローインから得点頭のゲイ・ドゥドゥのゴール下を狙うが、筑波の激しいプレッシャーによりボールをファンブルし万事休す。ファウルゲームに落ち着いて対処した筑波大が4年連続の決勝進出を果たした。

吉田健司監督は「このトーナメントでも要所要所で積極的に攻めてくれたし、度胸のあるプレーを常にやってくれていた」と決勝点を決めた菅原の強心臓ぶりを称えた。

最終盤に退場となり「自分自身の出来については満足していないです」と話す青木だったが、「史上2校目の4連覇という先輩方が作り上げてくれたこのチャンスがありますが、最後にコートに立てるのは僕たちだけなので、楽しんでその上で最高の形を届けれるようにチーム一丸となって頑張りたい」と決勝への抱負を語った。

一方、敗れた拓殖大の池内泰明監督は「あそこのオフェンスの失敗がダメだった。あのパスが入っていれば分からなかった。そこですよね、そういうところが練習不足だと思います」とポゼッションを渡したラスト8秒からのスローインを悔いた。

インサイドの強みを生かした大東大が決勝進出

準決勝のもう1試合では大東文化大と白鷗大が対戦。大東大のエース、モッチ・ラミンがインサイドで得点を重ね、第1クォーターだけで15得点。守備でも210cmのディオップ・マムシェッハイブラヒマをフィジカルで封じた。モッチを中心にボールと人が連動する多彩なオフェンスでリードを広げ、前半を50-25とダブルスコアで終える。後半に入ってU-24代表候補の野﨑零也を中心とする白鷗大の反撃を浴びるが、前半の大量リードをきっちり守った大東大が79-70で勝利している。

大東大の西尾吉弘監督は「ファイナルに行くことが目的で、ベスト4からは気持ちが大事と伝え、選手が体現してくれました。前半に良い入りができたことがすべてだと思います」と前半のパフォーマンスが勝因と語る。

敗れた白鷗大では、その前半を2点に封じられた野崎が「エースとして情けない姿を見せたというかチームに迷惑をかけた」と反省を語る。それでも後半だけで挙げた29得点とあきらめない姿勢は、見ている者の心を揺さぶった。「去年も準決勝で負けているので、決勝に行きたかった」と語るその強い思いは、試合後の悔し涙に表れていた。

決勝は4連覇を目指す筑波大と初優勝を狙う大東大という顔ぶれに。4年生にとってはラストゲームとなるインカレ、大学日本一の栄冠はどちらの大学に輝くのだろうか。