「祖母の存在を感じながらプレーした」
マディソン・スクエア・ガーデンは大いに沸いた。今シーズン絶好調のヒートに対してニックスが粘りのバスケットを展開、ずっとビハインドを背負いながらも第4クォーターに40得点を挙げて逆転する鮮やかな勝利を収めたからだ。
立ち上がりこそ接戦だったが、後半に入ってジミー・バトラーとケンドリック・ナンを止められずにビハインドが広がっていく。そこからニックスが押し返す原動力となったのがジュリアス・ランドルだ。残り3分を切ってゴール下に飛び込んだタージ・ギブソンにピタリとパスを合わせてアシストすると、その直後にマークに付くジェームズ・ジョンソンがチェックに出てこないのを見越して3ポイントシュートを決めて116-114と逆転に成功する。ジェームズ・ジョンソンが3ポイントシュートを決め返す維持を見せて再び逆転を許すが、すでに勢いは完全にニックスにあった。
3ポイントシュートを一度決められたことで、ランドルのドライブは勢いを増す。残り1分には2人が待ち受けるゴール下へ仕掛けてファウルを獲得、フリースロー2本を成功させた。残り35秒には3人を突破してのドライビングレイアップを決める。最後まで1ポゼッション差の接戦となり、ラスト0.5秒からの攻めでヒートのバム・アデバヨが同点3ポイントシュートを決めたかに見えたが、これはクロックがゼロになってからのシュート。結果、ニックスが124-121で勝利を収めた。
ランドルは祖母を亡くして2試合を欠場していたが、復帰戦で26得点8リバウンド4アシストの働き。特に終盤、1ポゼッション差で推移したラスト5分半でオフェンスを託されて11得点を挙げた勝負強さは特筆に値する。
「祖母は素晴らしい人で、僕と家族にたくさんのものを残してくれた。亡くなってしまい残念だし、悲しみはまだ続くだろうけど、今日の試合は素晴らしいものになった。祖母の存在を感じながらプレーすることができたし、それが僕のエナジーになった」とランドルは言う。
ランドルにとっては大きな手応えを得られた一戦であり、低迷するチームにとっても自信を取り戻す、大きな1勝になったはずだ。