『一つのボールを追うこと』の強さを見せた名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、若さを正しく発揮しトンネル脱出の2連勝!

2017/10/22
Bリーグ&国内
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文=大島和人 写真=B.LEAGUE

張本天傑を含む主力を欠きながら食い下がって逆転

名古屋ダイヤモンドドルフィンズは9月29日の開幕戦こそ川崎ブレイブサンダースを77-76で下したものの、そこから5連敗。しかも今週末は張本天傑が日本代表合宿のハードメニューを終えて疲労性の腰痛が残っており欠場していた。同じくパワーフォワードの大宮宏正も負傷により不在で、「100%のパフォーマンスができる状態ではなかった」というベテランポイントガードの柏木真介も2日連続でプレータイムがなかった。

1勝5敗の名古屋に対して、三遠ネオフェニックスは4勝2敗でこの愛知ダービーに臨んでいた。21日の第1戦は名古屋が第1クォーターだけで20点リードを奪い、89-81で逃げ切りに成功。そんな中で迎えた22日の第2戦だった。

外国籍選手のオン・ザ・コート数には名古屋が「1-2-1-2」で三遠は「2-1-1-2」というズレがあった。立ち上がりは三遠が徐々にリードを広げる展開。加えて名古屋は第1クォーター残り4分38秒に判定に対するイライラからジャスティン・バーレルがテクニカルファウルを取られてしまう。名古屋も直後に代わって入ったクレイグ・ブラッキンズが2本の3ポイントシュートを決めるなど食い下がったが、18-24と6点ビハインドで第1クォーターを終えることになった。

しかし第2クォーターに入ると名古屋はブラッキンズとジェロウム・ティルマンのコンビで得点を量産。ティルマンが10分間で3ポイントシュート2本を含む12得点を決めるなど、チームは10分間で一挙に33得点。51-40と試合をひっくり返してハーフタイムを迎える。

ディフェンスから流れを作りだした藤永の貢献

この10分間を任された名古屋のポイントガードが藤永佳昭。普段は笹山貴哉、柏木に次ぐ3番手格だが、三遠との連戦では目覚ましい働きを見せた。梶山信吾ヘッドコーチは彼の貢献をこう称える。「藤永は自分の仕事が分かっていて、ディフェンスを一生懸命やる。ボール一つをダイブしてでも取る。僕たちの欠けていた部分がそこだった。ディフェンスから流れを持ってこいと彼を送り出した。この2試合、チームを救ってくれた」

また名古屋は前半だけで3ポイントシュートを9本決めており、16本中9本成功で成功率56.3%という文句のないものだった。梶山ヘッドコーチはこう説明する。「三遠のディフェンスがかなり収縮していて、そこで2本くらいターンオーバーをしてしまった。しかしディフェンスが収縮しているなら次、次と飛ばしたら空いてくるとタイムアウトに指示をした。それを理解して、どこが空いているか分かってパスをしてくれた。フリーで打たせれば入る選手がたくさんいます」

ただし後半の試合運びは名古屋にとって今シーズンここまでの課題。中東泰斗はこう振り返る。「前半はすごく良くても後半に崩れることが多く、フラストレーションもありました。今までの負けていた5試合は後半にボールの止まることが多かった。でも今日はしっかりパスを回して、ボールをシェアしながらオフェンスができた。良いオフェンスをすることで、自分たちのディフェンスの気持ちもすごく上がってきた」

「僕らの若さ、アグレッシブさはディフェンスから」

オン・ザ・コート1に戻った第3クォーターはジャスティン・バーレルがコートに戻る。コートに戻った笹山がバーレルとの連携でピック&ロールから果敢なドライブを見せるなど得点を量産。10分間に13点という荒稼ぎを見せる。点差は11から6に縮まったが、なお69-63とリードを保っていた。

第4クォーターにはブラッキンズが13得点、笹山が3アシストと2人の連携が機能。名古屋が再びリードを広げて、91-80で三遠を下している。

三遠もカルティエ・マーティンが強力な1on1、シュート力を存分に表現してこの試合は29得点。後半だけで23点というフラッシュを見せた。しかしディフェンス面ではチームの『らしさ』をほとんど出せず、それが91失点につながった。藤田ヘッドコーチもショックを受けた表情のまま「敗戦以上にディフェンスが崩れて悔しい」と口にした。

名古屋は5連敗、主力選手の不在という試練を乗り越えての2連勝。笹山に理由を問うと、即答が返ってきた。「一番はディフェンスじゃないですか。僕らの若さ、アグレッシブさはオフェンスどうこうよりディフェンスからだと思います。守って走れば走力はある。ディフェンスからオフェンスというのが自分たちのスタイルで、この1週間も梶山ヘッドコーチからすごく言われました。それが前の試合から変わったことだと思います」

梶山ヘッドコーチも1週間の取り組みと、チームのカムバックをこう説明する。「ディフェンスで頑張ってボールを取ってから走るというので、『走る』というのが先行していた。一番ウチに足りなかったのは一つのボールを追うこと。練習中からボール一つに対する執着心を言い続けた」

名古屋が守備のインテンシティ、ルーズボールへの執着心で窮地を脱した三遠との連戦だった。