主導権を渡さず、終盤に突き放す
滋賀レイクスターズがサンロッカーズ渋谷のホームに乗り込んだ第2戦。前日の第1戦とは打って変わって、序盤から積極的なバスケットを展開して92-79で滋賀が勝利した。
第1戦では、前半で18点のビハインドを背負ったが、今日は試合開始から齋藤拓実のゲームメークが冴え、滋賀のペースで試合が進む。
齋藤はピック&ロールやポストプレー、そしてキックアウトからの3ポイントシュートなど、的を絞らせないオフェンスを展開。中と外からバランスよく得点をかさねていった。
SR渋谷もトランジションの速いバスケで対抗するが、滋賀の戻りが早く、上手くオフェンスを組み立てられない。さらに、徹底したダブルチームにインサイドでの得点が伸び悩む。そのためミドルシュートを増やすことで、徐々に得点に繋げていった。
前半はSR渋谷が追いかける展開が続いたが、途中からコートに入った山内盛久が冷静な状況を判断から、自らの3ポイントシュートやセバスチャン・サイズとのピック&ロールで、オフェンスを立て直した。
一進一退の攻防が続き、滋賀の1点リードで最終クォーターを迎えた。
驚異のフリースロー31本中29本成功
最終クォーターになっても拮抗した展開が続いたが、74-74で迎えた残り5分から試合が動き始める。
SR渋谷はこの時点でチームファウルが5に到達。するとジェフ・エアーズがインサイドでうまくファウルを誘い、フリースローを獲得するなど優位に立つ。さらに、齋藤がコースト・トゥ・コーストを決めるなど、9-0のランで一気にリードを広げた。
残り1分30秒、杉浦佑成に3ポイントシュートを浴びて5点差に迫られたが、直後のオフェンスで佐藤卓磨がファウルを誘い、フリースローを確実に沈めた。
その後もファウルをうまく誘った滋賀は、最終クォーターだけで18本のフリースローを獲得。そのうち17本を成功させるなどフリースローでリードを保った滋賀が92-79で逃げ切りに成功した。
滋賀はエアーズが27得点20リバウンド3アシスト、そして的確なゲームメークでSR渋谷のディフェンスを翻弄した齋藤も14得点10アシストと2人がダブル・ダブルを記録。
フリースローが勝因の一つとなったが、リバウンドで40-29、ファストブレイクポイントで12-4と、SR渋谷のお株を奪うトランジションとリバウンドの強さを見せたことも試合のポイントとなった。
「僕たちのプレッシャーに滋賀さんが慣れてきていた」
勝利した滋賀の指揮官ショーン・デニスは、「昨日の試合で前半の良くなかった部分をチームでミーティングした。ミーティング通り、今日はスタートで良い入りができたことが良かった」と、立ち上がりに主導権を握れたことが勝因の一つだと語った。
ほとんどの時間帯が接戦となったが、「試合を通してファウルトラブルや相手がタフなシュートを決めたりと、いろいろな逆境があった。それでも、そういう時間帯をチームで乗り越えて勝てたことが素晴らしい」と、最後まで戦い抜いた選手たちを褒めたたえた。
さらに、素晴らしいゲームメークを行い勝利に貢献した齋藤についても「試合の後半でしっかりとゲームのテンポをコントロールできた。オフェンスではパスをする相手や狙いどころをしっかりと判断して、本当に良いゲームコントロールをしてくれた」とコメントした。
一方、敗れたSR渋谷の伊佐勉ヘッドコーチは「残念な試合でした」と話し、このように試合を総括した。
「前半早々にミスをして、そこからゲームが壊れたかなと思います。そこから持ち直したけど、滋賀さんのペースで終始進んでいました。それでも勝てるチャンスはあったけど、僕たちのプレッシャーに滋賀さんが慣れてきていて、そこでファウルをしたり、フリースローも確率良く決められてしまいました」
東地区で上位に入るSR渋谷に競り勝った滋賀は戦績を9勝12敗とした。勝率5割復帰へ向け、勢いのつく勝利となったことは間違いない。
12月15日のB1 8試合の結果
SR渋谷79-92滋賀
島根80-59富山
秋田72-58名古屋D
横浜69-82A東京
京都58-78宇都宮
北海道69-84琉球
大阪105-106千葉
三遠 – 新潟
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