京都ハンナリーズに新たなエネルギーを与える新人ポイントガード伊藤達哉、デビュー戦を終え「楽しんでプレーできました」

2017/10/04
Bリーグ&国内
15

文・写真=鈴木栄一

ポイントガード総入れ替えのチームで躍動

京都ハンナリーズは、9月30日、10月1日と開幕節において三遠ネオフェニックスに2連勝と幸先良いスタートをきった。この連勝に貢献した一人が、司令塔の伊藤達哉だ。昨シーズン途中、伊藤は特別指定選手として京都に加入したが、出番なくシーズンを終えている。しかし開幕節の2日間はともに先発出場し、30日は7得点3アシスト1スティール、1日は4得点4アシスト2スティールと、プロデビューの2試合としては上々のスタートを切った。

京都はこれまでポイントガードを担っていた小島元基、川嶋勇人、村上直の3名がオフに揃って移籍。それにより伊藤と、2014-15シーズンぶりの出戻りとなる綿貫瞬と、昨シーズンとは全く違う選手がゲームをコントロールすることになった。それでも浜口炎ヘッドコーチは「2人のポイントカードは素晴らしかった」と新しい司令塔コンビのプレーを高く評価。伊藤については「ルーキーとして思い切ってやってくれました。彼はハンドリングが良くシュートチャンスをクリエイトできます。大学時代は経験しなかった、外国籍選手がコートに4人いる中でのプレーも、もっと経験を積めばより良くなっていきます」も大きな期待を寄せている。

伊藤本人は、Bリーグデビューとなったこの2日間を次のように振り返る。「昨日の試合の出だしは緊張していましたが、そこからは楽しんでプレーできました。今日は最後まで分からない展開になりましたが、そこで勝ち切れました。なによりも開幕2連勝でスタートできたことは自分たちの自信になりました」

「今までと違うパターンを作っていかなければいけない」

ただ、自身のプレーについては「もともと自分はディフェンスが好きで、オフェンスよりはまずはディフェンスで流れを作りたいです。ただ、この部分についてまだまだ未熟なところはありました」と厳しく評価している。

また、オフェンスについては大学時代に比べ、よりプレーのバリエーションを広げる必要があると感じている。「大学時代は、ゴール下にドライブしてそのまま自分でシュートを打つか、外の味方にキックアウトでパスを出すか、というプレースタイルでした。ただ、プロではもう少し外のシュートを打ったり、もっとピック&ロールを使って味方を生かしたりと、今までと違うパターンを作っていかなければいけないと思います」

冒頭で触れたように、今シーズンの京都のポイントガードは伊藤と綿貫の2人が担う。綿貫は新加入とはいえ、2013-14、14-15シーズンと京都でプレーしており、伊藤よりも浜口ヘッドコーチのバスケットボールをよく分かっている。また、司令塔でありながらポストアップを得意としており、インサイドに起点を作るのを好む指揮官のスタイルとの相性も良い。ただ、伊藤はそんな先輩を相手にしてもひるむことはなく、切磋琢磨する良い関係を築いている。「基本、自分が同じポジションで一番になりたいと思ってやっている。瞬さんが加入しても、負ける気はないですし、練習から結構バチバチやっています」

本人が語る課題は「もっと試合の流れを読む」

伊藤といえば京北中学、洛南高校、東海大学とこれまでずっと名門校のエリート街道を歩んでいた。それだけに現在、Bリーグで活躍している先輩は数多く「中学、高校、大学とたくさんの先輩たちのプレーを見て刺激になっています」と語る。現在のBリーグでは伊藤と同世代のポイントガードが多数活躍しており、中でも「対戦相手で楽しみなのは千葉の富樫(勇樹)選手です。全中(全国中学校バスケットボール)で戦って以来となります」と7日、8日に敵地で乗り込んで対戦する千葉ジェッツの富樫との激突を心待ちにしている。

ちなみに伊藤が言う『全中』とは、伊藤が中学2年、富樫が3年で対戦した決勝戦のこと。この時は富樫の率いる本丸中が伊藤のいた京北中を破っている。また、この時、京北中では伊藤の1学年上に田渡凌(横浜ビー・コルセアーズ)がいた。田渡も伊藤が対戦を楽しみにする選手だ。

最後に伊藤は「もっと試合の流れを読む。今日も途中トランディションで連続してやられてしまった時があったので、そういう時はスローダウンさせたり、もっとインサイドを中心に攻めたりするなど、ゲームの流れを冷静にコントロールできたらと思います」と今後の意気込みを語る。

リーグ随一の巨漢である『ジャンボトラック』ジョシュア・スミス、永吉佑也といった重量級の新戦力が加わり、パワーが大幅にました京都。ここにスピードの伊藤が躍動することで、チームはより多彩なプレーを展開できる。今シーズンの新人王有力候補として伊藤に注目することをお薦めしたい。